再審決まった日野町事件「一日も早く無罪を」 現場を遺族が案内

1984年に滋賀県日野町で起きた「日野町事件」の裁判やり直し(再審)を最高裁が認めたことを受け、弁護士らでつくる「青年法律家協会」の22人が14日、事件現場を視察した。 事件は強盗殺人罪の無実を訴えた阪原弘(ひろむ)さんが受刑中に病死。遺志を引き継ぎ、再審開始を勝ち取った長男の弘次さん(64)=彦根市=がこの日、同行した。 事件のあった元酒店の前で、弘次さんは「親に頼まれて、お酒を買いによく来た」と振り返り、「家族みんなが、父が被害者を殺すはずがないと信じていた」と語った。 続いて、店の手提げ金庫が見つかった町内の山林へ移動した。弘次さんは「当時真っ暗なこの山にどうして登れますか。父は逮捕されるべきではなかった。警察は現場を案内できない父が案内したように見せ、どうしても犯人にしたかった」と話し、「捜査側への憤りを感じる」と述べた。 今後始まる再審については「母が高齢なので、一日も早く無罪を勝ち取りたい」と述べた。 「検察は有罪立証をしないでほしい。これ以上、父を苦しめないでほしい。これ以上、家族をかきまぜないでほしい」と求めた。 さらに父の名誉回復を求める40年近い闘いを振り返り、「父が無実だと信じてくださって、ここまで来られた。日野町事件に関心もってもらえるのはありがたい」と参加者に礼を述べた。 山林では弁護団の岡根竜介弁護士が「現場を知らないのは弘さんだけだった。知っている警察のとおりに、自白が変遷している」と捜査を批判した。 弁護団の関口速人弁護士は「再審手続きの問題を広く法律家に知ってもらう機会。現場を見てわかることがある」と意義を話した。(小西良昭) ■日野町事件の経緯 1984年12月~85年4月 日野町で酒店経営の女性(当時69)が殺害され、金庫が奪われる 88年3月 阪原弘さんを逮捕。金庫と遺体の場所を「案内」 95年6月 大津地裁が無期懲役判決 2000年9月 最高裁が上告を棄却 11年3月 阪原さんが75歳で病死 12年3月 遺族が第2次再審請求 18年7月 地裁が再審開始の決定 23年2月 高裁が検察の即時抗告を棄却 26年2月 最高裁が検察の特別抗告を棄却。再審決まる

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加