一生刑務所の可能性 容疑者夫婦の「生後7カ月の赤ちゃん」の今後は?弁護士が解説「一時的に児童相談所で保護されているが…」 栃木強盗殺人

栃木県上三川町で会社役員の富山英子さん(69)が殺害された強盗殺人事件で、すでに逮捕された指示役の夫婦に加え、警察はさらに上位の立場から事件に関与した疑いがあるとして益田和彦容疑者を公開手配した。 この事件で気になるのが、指示役とみられる20代夫婦の母親が逮捕された際、一緒にいたとされる生後7カ月の赤ちゃんだ。指示役は実行犯と同等かそれ以上、つまり死刑か無期拘禁刑となる可能性がある。 レゾバティール法律事務所の阪口采香弁護士は「赤ちゃんの両親が逮捕されたとしても、家族そのものを直接保護する法律はありません」と語る。 量刑については「強盗殺人罪というのは通常の殺人罪よりも重たい法定刑が定められている。なぜかと言うと、財産だけではなく命も奪ったという、その行為自体の悪質性。それに加えて、金品を奪う目的で人を殺してしまう人というのは命を軽く見てやってしまう、ということがあるのでその抑止力のために非常に重たい法定刑が定められている」と説明。 赤ちゃんの今後については「一時的に児童相談所などで保護されているが、両親が無期拘禁刑などになると思われるので、その後どうするかとなってくる。まず親族がいるかどうか、親族に引き取ってもらえないかが検討される」と語った。 「親族が引き取れない場合については、まずは乳児院というところに行き、乳児院が就学前までのお子さんが対象になっているので、適切なタイミングで児童養護施設というところに移っていく。もしくは親族がいない場合でも、里親という制度があり、里親が見つかれば施設から里親さんの元に行くことになる。または、これも現れればだが、特別養子縁組という制度もあるので、親族との関わりを完全に断つことにはなるが、特別養子縁組によって新たな家族を築いていくということも考えられる」と説明した。 逮捕後の親権については「逮捕によって自動的に親権がどうなるというわけではない。逮捕されて長期間拘留されることが見込まれるので、この場合は親権の行使が著しく困難ということで、親権の停止、もしくは喪失の手続きを取らないと、親権は何も変わらない」とした。 親族に引き取りの義務はないのか。阪口氏は「親族の方も生活扶助義務というのがあるが、それは親族の方ご自身の生活が許す範囲で『金銭的に援助してあげましょうね』という義務なので、『引き取る』というところまでの義務はない」と答えた。 現在の制度の課題については「里親制度というものはあるにはあるが、日本では非常に受け入れが少ない。結局は施設だったり。あとは未成年後見人という制度もあるが、未成年後見人は親族や弁護士などがなっていくが、そういったところでも制度的に育てていくことになる」と説明。 続けて「加害者の子供だということで、SNSなどで何を言われるかわからないというリスクもかなりある。そのために今後、例えば、事件の加害者の子供たちに対する報道の規制をしていくとか、法律で匿名化を守っていくような保護の制度があってもいい」と提言した。 「制度から少し話が逸れるが、小さなお子さんがいながら逮捕、長期拘留される犯罪を犯さないことがそもそも大事」(阪口氏、以下同) 本来の両親が出所した場合、里親に引き取られた場合でも面会したい意向があれば会うことができるのか。阪口弁護士は「里親制度の場合は親権者というものは変わっていない可能性もある。親権の喪失の手続きが取られていて、親権者がいないとなってくると未成年後見人が選ばれていたりするので、その人たちがどう考えるかになってくる。里親制度というのはあくまで育てるということになってくるので、実の親が『会いたい』となれば、子供に対して虐待していたなどの事実がないのであれば会えることにはなる」と、ケースバイケースだとした。 里親の場合だと養子ではないが、加害者の子供の名前を変えて誹謗中傷のリスクをリセットするのは可能なのか。これには「あり得ますね。名前を変えるのも十分あるし、里親の場合だとただちにはできないが、特別養子縁組だと親権が完全にそっちにいくので、そっち側の戸籍に入る。特別養子縁組もハードルがかなり高いので『そこまでじゃないよ』というところもあり得ると思う。その時に名字を変えるのも制度的にはあり得て、あくまで裁判所が認めるかどうかにはなってしまうが、家庭裁判所が社会生活を送る上で著しい困難があるとみられた場合には名字を変えることも選択肢としては考えられる。名前が変わるだけで随分、周りの印象とかも変わってくると思うので、そういったことも有効だとは思う」との見方を示した。 また、受け入れる施設の状況はどうなのか。「定員数や場所の面積といった意味では一応足りているとは言われてはいるが、一番深刻なのが人員不足。『スペースはあるけれども、人手が足りていないから受け入れることができない』ということのほうがよく聞く。そのため、施設で働く人を増やすことも今後の制度改革としては大事」と、人員確保の必要性について訴えた。 獄中出産した場合は近くにある施設に預けられるのか。「そうなります。その場合でも人が足りていないという問題はまだ顕在している。足りていない中でどうなっていくかというと、扱いが軽くなっていってしまう。乳児期は一番大事な時期だと思うので、しっかりと人員をかけてケアしていく体制を整えるのはすごく必要だと思う」と、自身の考えを述べた。 (『ABEMA的ニュースショー』より)

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