フランツ・カフカの不条理文学をオーソン・ウェルズが映画化した「審判」(1962)が、4Kレストア版で復活。9月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。メインビジュアルと予告編が到着した。 会社員のヨーゼフ・Kはある朝、自室に現れた警官たちに、罪状も告げられぬまま逮捕を宣告される。そして奇妙な裁判制度の世界へ足を踏み入れていった。弁護士、看護師、画家、司祭など、彼の前に現れる人々は助けになるようでいて、かえって迷宮的様相を助長していく──。 プロデューサーのアレクサンダー・サルキンドが、カフカの小説の映画化をウェルズに持ちかけたことで制作された「審判」。ファイナル・カットを含む自由裁量権を得たウェルズは、単に原作をなぞるのではなく、「カフカを相棒にした」自らの映画として構築した。ザグレブ、ローマ、そして当時使われていなかったパリのオルセー駅で撮影され、荒廃した駅舎や巨大なオフィスが方向感のない不条理空間を現出させる。キャストはアンソニー・パーキンス、オーソン・ウェルズ、ジャンヌ・モロー、ロミー・シュナイダーなど。ウェルズは本作を「私がこれまでに作った中で最良の映画」と語っている。 今回の4Kレストア版は、オリジナルの35mmネガをもとに、STUDIOCANALとシネマテーク・フランセーズが手掛けたもの。鮮烈なモノクローム世界に没入したい。