韓国警察「公務執行妨害」と警告 反対市民らに 尹氏逮捕へ再着手

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布を巡り、内乱などの容疑で尹氏に対する逮捕状を取った高官犯罪捜査庁(高捜庁)の検事らが15日午前5時過ぎ、ソウル市内の大統領公邸で逮捕状を示し、執行に着手した。聯合ニュースが伝えた。高捜庁と警官隊が官邸の敷地内に入ろうとし、官邸を守る警護庁の要員らともみ合いが起きている模様だ。 公邸はメボン山の中腹にあり、建物は正門から約500メートル先にある。ここに尹氏がいるとみられる。聯合によると、警察の機動隊はメボン山の登山路の側からも公邸への突入を試みている。メボン山の登山路からは、公邸につながる小道がある。 公邸周辺では、逮捕を求める市民と反対する市民の両方が集まり、スローガンを叫んでいる。聯合によると、逮捕に反対する与党「国民の力」の議員約30人も、逮捕状執行に抗議しているという。また尹氏の代理人を務める尹甲根弁護士も公邸付近で、逮捕状は不法だと訴えている。これに対し警察は「逮捕状執行を妨げれば、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕される可能性がある」と警告放送を続けている。 警護庁の要員らは公邸の周囲に鉄条網を敷くなどし、尹氏の逮捕を阻止する構えを見せてきた。高捜庁の逮捕状執行を支援する警官隊と、警護庁要員の間の衝突を懸念する声がある。 高捜庁トップの呉東運庁長は逮捕の失敗後、「2回目が最後になるという異例の決意で、しっかり準備する」と強調していた。【ソウル日下部元美】

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