韓国共助本部、大統領官邸前の与党議員に「令状執行を妨害すれば現行犯逮捕」

韓国の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と警察が15日未明、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する逮捕令状執行に向けてエンジンをかけた。3日に1回目の執行を試みて以来12日ぶりだ。 警護処の強力な抵抗で阻まれた1回目以降、切歯腐心した公捜処と警察は、今回は投入人員を大幅に増やして警護処を制圧するための戦略も用意した。 ただし、警護処指揮部が逮捕令状執行を阻止するという方針を守っていて相変らず緊張感が漂っている状況だ。 公捜処の一部検事と捜査官は15日未明から逮捕令状執行のために政府果川(クァチョン)庁舎からソウル竜山区漢南洞(ハンナムドン)大統領官邸に向けて出発し、午前4時20分ごろ官邸付近に到着した。 近くの陸橋側では警察チョッキを着た逮捕組と推定される警察人員が隊列を組んで官邸方向に移動している。 官邸前では与党「国民の力」議員30人余りが逮捕阻止のために「人間ベルト」を作って対抗している。 公捜処・警察は逮捕・捜索令状を提示して警護処と対立している。金洪一(キム・ホンイル)・尹甲根(ユン・ガプグン)ら尹大統領弾劾審判弁護人団も逮捕の試みに抗議して令状執行を遮っている。弁護団は「逮捕令状は無効」であり「逮捕令状執行が不法」と主張している。 警察と公捜処は令状執行を妨害する場合、現行犯で逮捕することもあると警告している。 この日午前5時45分ごろには官邸前で公捜処と警察が体で押して強制進入を試み、もみ合いになる様子が見られた。 公捜処と警察は最大2泊3日の長期戦になっても令状を執行するという意志で臨んでいるという。3日の執行人員は公捜処と警察特別捜査団を合わせて150人程度だった。このうち100人ほどが官邸境内に進入して2倍規模の200人余りの警護処・軍人員と対立したが、数的に劣勢だと判断、5時間26分後に退いた。 2回目の今回は執行人員を大幅に増やすことにした。 警察は今回の執行のためにソウル・京畿(キョンギ)南部・京畿北部・仁川(インチョン)庁安全保障捜査隊および広域捜査団人員1000人余りを抽出した。 公捜処も処・次長含む検事・捜査官現員(52人)の大部分に該当する40人余りを執行現場に投じる。 3日には執行を妨害する警護処長などを現行犯逮捕するかどうかを巡って、現場で公捜処と警察間の異見も露呈した。反面、今回は令状執行・現場経験の豊富な警察を中心に2回目執行計画を組み、猛烈に抵抗する警護員は現行犯で逮捕して複数の警察署に分離護送するという方針を立てた。 警察は数回の作戦会議を開いて車壁・鉄条網などで要塞化された官邸に進入して逮捕対象者の身柄を確保する具体的な方案について議論したという。 同時に警察は1回目の執行を妨害した警護処関係者を特殊公務執行妨害容疑で立件するなど関連捜査も併行してきた。 特に朴鍾俊(パク・ジョンジュン)前警護処長の辞退以降、職務代行として警護処を率いているキム・ソンフン次長は数回にわたる警察の出頭要求にも応じないため逮捕令状が発付されたことが分かった。 警察がキム次長の逮捕令状を執行すれば、尹大統領の逮捕を阻もうとする警護処の組織的な動きも弱まるだろうという観測が出ている。 公捜処と警察は、警護処と国防部に対して令状執行を妨害する場合、民事・刑事上の責任を問うことがあるという警告公文書を送り、協力する職員は善処するという方針を明らかにするなど警護処職員の説得にも積極的に出た。 1回目の執行失敗後、逮捕令状を延長して有効期間を従来の7日から大幅に延ばし、締め切りに追われないで余裕ができた点も変化した部分だ。7日に再発行された令状有効期間はソル(旧正月)連休(1月28日~)前までだと言われている。

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