押し黙る相手に「困った」 検事が「検察なめんな」と怒鳴った理由

なぜ机をたたき、「検察なめんな」と怒鳴ったのか。特別公務員暴行陵虐罪に問われた検事、田渕大輔被告(54)=現東京高検=の被告人質問が16日、大阪地裁で始まった。当初の取り調べがうまく進まず、「困った」という気持ちからの言動だったと明かした。 被告の起訴内容は、2019年12月に大阪拘置所の取調室で、業務上横領容疑で逮捕された不動産会社「プレサンスコーポレーション(当時)」部長だった男性=有罪確定=を長時間責め立てたり、机をたたいたりして陵虐したというもの。被告はこれまでの公判で、「陵虐の意図はなかった」と無罪を主張している。 16日は初めての被告人質問で、弁護側からの質問に答えた。 被告は取り調べで追及する方法について、「事件の数、相手の数」だけあり、毎回悩みながら「あの手この手を考えていた」と語った。■「動かぬ証拠」示したのに… 被告によると、問題となった取り調べでは、男性が容疑を否認したため、様々な角度から言い分を聞いた。だが男性は言いよどんだり、説明を覆したりしたという。 机をたたいたのは、男性の説明と矛盾する「動かぬ証拠」を示した直後だった。押し黙る姿から「うそをついていることを認めないという態度」と感じた。 語気を強めたまま、相手の態度が変わらないか試すために「あなた詰んでいるんだから、もう起訴ですよ」などと迫った。その後も相手は黙ったままで「困った」と思い、「検察なめんな」の発言に至ったという。 この発言の真意について、「検察の一人である私も、覚悟をもって取り調べに臨んでいる。その私の問いかけを軽々に扱わないでほしいという思いだった」と説明した。 19日には検察官役の指定弁護士側からの質問も予定されている。(新谷千布美、遠藤美波)

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