兵庫県内にある障害福祉事業所の利用者に対する暴行容疑で逮捕、不起訴となった少女=当時(16)=が昨年12月に低栄養状態で亡くなったのは、県警と神戸地検による違法捜査が原因だとして、母親が県や国に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、神戸地裁(鳥飼晃嗣裁判長)であった。母親は「身体拘束の必要はあったのか。判断の根拠を明らかにしてほしい」と意見陳述し、県や国側は請求棄却を求めた。 訴状によると、少女は昨年2月、勤務先である事業所で、重度の知的障害のある女性利用者が他人にかみつこうとするのを顎に手を添えて制止。同6月、明石署に逮捕された。少女は否認したが勾留され、接見も禁じられた。ショックで食事が取れず、拘束された18日間に体重が激減し、留置場で倒れて救急搬送された。釈放後、不起訴となったが摂食障害など心身の不調が続き、12月14日に亡くなった。 弁論後の会見で、母親の代理人弁護士は逮捕や勾留の必要性はなく、留置場の健康管理に問題があったなどと指摘し、「捜査が適法ならば、取り調べの録音・録画や捜査記録を開示すべきだ」と訴えた。 県警は「捜査および留置施設における対応に国家賠償法上の違法はないと判断し、請求の棄却を求めた。主張の詳細は裁判で明らかにする」とし、神戸地検は「コメントは差し控える」とした。