【ソウル時事】韓国のソウル西部地裁は18日、高官犯罪捜査庁(高捜庁)などの合同捜査本部が請求した尹錫悦大統領に対する逮捕状の審査を行った。 現職大統領として初めて尹氏が出席した。尹氏は高捜庁に捜査権はなく地裁に審査権はないという立場で、拘束の不当性を主張したとみられる。請求が棄却されれば尹氏は釈放される。 捜査本部は17日、尹氏の「非常戒厳」宣言を巡り、内乱容疑などで最長20日間の身柄拘束が認められる逮捕状を請求した。韓国メディアは18日深夜から19日午前(日本時間同)に審査結果が出るとの見通しを伝えた。 尹氏は15日に捜査本部に拘束され、ソウル拘置所に留置されている。18日午後は護送車に乗せられ拘置所を出発し、地裁に到着。地下駐車場から審査に向かい、玄関で待ち構えた取材陣には姿を見せなかった。 尹氏の到着前から多数の支持者が地裁付近に集結。移動する尹氏が乗った車列を支持者がふさぐ場面もあった。支持者らは審査が行われている間も「弾劾無効」「大統領」などと声を上げ、一部が地裁への侵入を試みて、警察ともみ合いになった。 弁護団は「堂々と対応した方が良いという弁護団の意見を受け入れ、(尹氏は)出席を決心した」と表明。尹氏は部下だった前国防相らが捜査で拘束されていることを「非常に残念」に思っており、「非常戒厳の正当性と内乱罪が成立しないことを直接説明して名誉を回復すべきだと考えた」という。