狙われた「世界最速グリーンカード」 富裕層、性善説の制度を悪用か

通常の在留資格なら、永住許可の申請まで原則10年かかる。その期間を最短1年に縮める優遇措置がある在留資格「高度専門職」について、政府は「世界最速級の『日本版高度外国人材グリーンカード』」などとうたい、高度外国人材の呼び込みを進めてきた。制度の利用は広がり、2012~25年の認定は計6万5千件に上る。 その仕組みを悪用した疑いがあるのが、警視庁が摘発した虚偽申請事件だ。中国人富裕層に虚偽申請で高度専門職を取得させたとして、ブローカーとみられる男(39)を出入国管理法違反(虚偽申請)容疑で再逮捕した。男は永住許可の申請までを支援するとうたい、顧客1人あたり45万ドル(約7千万円)を得ていた可能性があるという。■「書類審査が原則」 悪用された制度設計 出入国在留管理庁による在留資格の審査は書類審査が原則で、専門家は「性善説で設計された制度が悪用された」と指摘する。優秀な外国人を素早く呼び込む仕組みが抱える課題とリスクが見えてきた。 高度専門職は、日本の経済発展などに寄与すると認められた外国人を受け入れるための在留資格だ。資格を更新せず在留できる期間は一律5年で、7歳未満の子どもがいる場合などには親の帯同も認められるなど、様々な優遇措置がある。 高度専門職を取得するには、学歴や職歴、年収見込みなどを点数化した「ポイント」が一定の基準に達する必要がある。世界大学ランキング上位校の卒業歴や日本語能力、保有資格などに応じて加点される。 政府は2017年、さらなる高度人材呼び込みのため、永住許可の申請に必要な在留期間を従来の5年から緩和。合計70点以上なら3年、80点以上なら1年で申請できるようになった。このため、制度は永住への「近道」でもある。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加