元捜査員「ワシに時効はない」 岐阜・御嵩町長襲撃事件から30年

1996年10月30日、岐阜県御嵩(みたけ)町長だった柳川喜郎さん(93)が、何者かに襲われて重傷を負った事件の発生から30年を迎えた。岐阜県警の当時の捜査員が取材に応じ、未解決事件への重い胸の内を語った。 元捜査員は岩島和正さん(79)。事件発生当時は県警暴力対策課の課長補佐だった。 「(岐阜市の繁華街の)柳ケ瀬で飲んでいるときに連絡が入った。当時は行政対象暴力が注目されているとき。これは大変なことやぞ、と思った」 岩島さんは現場へタクシーで急いだ。御嵩町内では産業廃棄物処理場の建設が計画されており、暴力団や右翼が利権に絡もうとしている状況が脳裏をかすめた。 「これは魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界の出来事や。だから素人の短絡的な犯行でなく、複数犯だろうと。難しい事件になるなと直感した」 殺人未遂容疑で捜査本部が立ち上がった。町長宅を盗聴した疑いで元暴力団員や右翼団体幹部らを逮捕したが、襲撃事件の犯人は判明しないまま、2011年に殺人未遂罪の公訴時効が成立した。 未解決のまま30年が経つことに、岩島さんはこう語った。 「事件に時効があったって、ワシには時効はないよ」 「御嵩事件」と表紙に書いた当時の捜査ノート6冊を、いまも保管している。(工藤隆治)

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