【10月30日 KOREA WAVE】韓国ソウル市江南区駅三洞の特許事務所2カ所に相次いで放火し、26人を負傷させたとして、警察は10月29日、77歳の男を現住建造物等放火致傷と殺人未遂の疑いで身柄送検した。室内に人がいると知りながら、事実上唯一の避難口の前にガソリンをまいて火を付けたことなどから、殺意があったと判断した。男は同日午前7時35分ごろ、黒い上着と眼鏡姿で報道陣の前に現れた。「詐欺があると報道機関5社に電話したが、知らないふりをされた。特許詐欺は深刻だ」と発言。警察にも訴えたのに捜査しなかったと不満を述べた。被害者に申し訳なく思わないかとの問いには「詐欺を取り締まるべきなのに、なぜ取り締まらないのか」と答え、「そんな話はやめよう。黙れ」と繰り返した。男は20日午前11時53分から午後0時1分ごろにかけ、駅三洞の漢陽ビル4階と新明ビル3階にある特許事務所に相次いで放火した疑いが持たれている。2022年にも同じ特許事務所への放火を図ろうとして逮捕された前歴がある。当時は特許出願や紙の登録証の発行などへの不満から、職員にガソリンをまいて脅したとして起訴され、懲役2年6カ月を言い渡された。今回、男は「脅すだけのつもりだった」と主張しているが、警察は不特定多数への殺意が認められるとして、殺人未遂容疑を追加した。警察によると、最初の事務所では特定の人物が勤務しているか尋ね、人が室内に入ったことを確認した直後に放火した。2カ所目でも事務所から出てきた人と遭遇し、内部に人がいることを認識していたという。また、両事務所の事実上唯一の避難口の前に大量のガソリンをまいて放火し、非常ベルを押したり周囲に火災を知らせたりせず、そのまま逃走した点も判断の根拠とした。警察は計画的な犯行だったとみている。男は9月下旬から10月上旬にかけて容器やライターを購入し、事件前日にはガソリンを用意していた。身辺整理とみられる行動も確認された。15日に携帯電話を解約し、自宅の賃貸借契約が9カ月残っていたにもかかわらず、大家に解約を申し出ていた。事件当日に保証金を受け取って退去する際には、「詐欺をしたなら、黙っていてはいけないでしょう」と独り言を述べたという。男は取り調べで「2カ所の特許事務所が虚偽の特許登録証を発行するなど詐欺を働いたことに不満があり、脅して世間に知らせたかった」との趣旨の供述をした。ソウル中央地裁は22日、逃亡の恐れがあるとして拘束令状を発付した。男は審問への出席時にも「殺そうとしたのではなく、脅すつもりだった」と主張していた。ソウル警察庁は28日、審議委員会を開き、男の身元情報の公開を決定した。ただ、本人が書面で異議なしと表明していないため、法律に基づき5日以上の猶予期間を設け、11月3日午前9時ごろに公開する予定だ。警察関係者は「送検後も検察と積極的に協力し、国民の生命を脅かす凶悪犯罪に厳正に対応する」と述べた。(c)KOREA WAVE/AFPBB News