約11年前に松戸市の男性を拉致して死なせたとして暴力団組員らが逮捕された事件や神奈川県逗子市で組員2人が殺傷された事件を巡り、逮捕監禁致死や殺人の罪に問われた松戸市、無職、吉田将豪被告(41)の裁判員裁判の判決が24日、千葉地裁であり、新井紅亜礼裁判長は懲役28年(求刑無期懲役)を言い渡した。 新井裁判長は判決で、松戸市の事件については「金銭的な不満から、同じ暴力団組織の上位者である被害者を引退させようと、苛烈な暴行を加えて拉致監禁して死亡させた」とし、「粗暴かつ危険」と断じた。被告が犯行の全ての過程に関与し、重要な役割を果たしたとして、弁護側が主張していたほう助犯ではなく、共犯関係が成立すると判断した。 逗子市の殺人事件に関しては、逃げた被害者を追いかけ、複数回刺して心臓を貫通する致命傷を負わせた点に言及し、「強固な殺意に基づく執拗(しつよう)かつ残忍な犯行」と非難した。 判決によると、被告は仲間と共謀し、2014年3月、松戸市内の路上で高橋源太さん=当時(35)=の頭を金属バットで複数回殴打して車で連れ去り、同市の建物などで高橋さんを監禁して死亡させた。13年7月には神奈川県逗子市の地下道で、軽部洋さん=当時(30)=の胸を刃物で突き刺すなどして殺害した。 逗子市の事件の殺人未遂罪については「犯人性に合理的な疑いが残る」として無罪とした。