コンサートに行くために運転免許証を偽造したとして、人気アイドルグループ『WEST.』のファンの女性2人が逮捕・起訴された。 舞台となったのは大阪だ。昨年12月25日、大阪府大阪市中央区で開催された『WEST.』のデビュー10周年記念公演に、東京都杉並区在住の会社員・脇山美乃里被告(28)が偽造免許証を受付で提示して入場しようとしたところ、身分証を見て不審に思ったスタッフに通報された。 「旧ジャニーズ事務所所属の人気グループのコンサートでは、以前からチケットの不正転売が繰り返されていました。旧ジャニーズ事務所のタレントが所属する『STARTO ENTERTAINMENT』などが調査したところ、所属グループのコンサートなどのチケットが、チケット転売サイトで正規の価格のおよそ10倍の1枚10万円以上で出品されているケースが200件以上確認され、1枚25万円で売られていたこともあったといいます。これを受けてSTARTO社は昨年、大手転売サイトに対して高額転売者の情報開示を求める法的な手続きもとっています」(全国紙社会部記者) 相次ぐ転売防止のため、主催者側は今回から来場者全員に身分証のチェックによる本人確認を実施。その結果、脇山被告の身分証の偽造が発覚した。 「脇山被告が提示した免許証は質感が不自然で、スタッフは一目で気付いたようです。顔写真は脇山被告本人でしたが、氏名、住所、生年月日は別人のものでした。今回のコンサートは10周年記念公演で競争率が高かった。是が非でもチケットが欲しかった脇山被告は知人の名前を使って複数応募。当選した知人の氏名、住所、生年月日を使って偽造した免許証を受付で提示したのです」(同前) 翌12月26日、脇山被告は偽造有印公文書行使と詐欺未遂の容疑で逮捕され(後に起訴)、彼女の供述によって免許証を偽造したファン仲間が判明。東京都港区在住の会社員・和田怜子容疑者(29)が1月21日、有印公文書偽造の疑いで大阪府警南警察署に逮捕された。 「和田容疑者は昨年11月から12月にかけて、自宅や宿泊先のホテルでパソコンとカードプリンターを使って偽の免許証を作ったとされます。2人は昨年初めごろに『WEST.』の”推し活″を通じて知り合い、ファン仲間の間で名義の貸し借りをしながらチケットを入手し、分け合っていたようです。 ところが、今回のコンサートから身分証の提示が必要となってしまった。『これでは、チケットが取れても中に入れない』と慌てた2人は、当選者本人になりすますしかないと考え、免許証を偽造することを思いついた。事実、和田容疑者の自宅から、他人名義の偽造運転免許証が20枚以上見つかっています。他のコンサートにも身分を偽って入場しようとしていたようです」(捜査関係者) 浅はかと言うほかない。