もちろん絶対に許されない犯罪なのだが、JR長野駅前3人殺傷事件をめぐっては、〈氷河期世代か〉なんて書き込みもちらほらあった。 1月26日に殺人未遂容疑で逮捕された長野市の無職男は「46歳」。内閣府が定義する就職氷河期世代は1974~83年生まれだから、今の40代はドンピシャだ。 「不本意ながら非正規で働いている人は200万人とも。そのうち氷河期世代が占める割合は3割で最も多いとされます。中年になるにつれて、将来の不安とか不満は募るばかりでしょう。それなのに最近は氷河期世代の神経を逆なでするニュースが多すぎますよ」(速報サイト編集者) 〈私、4年目行員〉というXのポストが先日、バズっていた。 〈やっと新入行員の指導員になれてやる気満々なの でもある日「新入行員の初任給が30万円」になってもう大変 指導してあげる側とされる側の給料が同じなんだよ 銀行業務検定の教材で頭かち割るぞコラ〉 これには、〈自分より給料の高い新卒にご飯を奢る先輩になってる〉などと激しく同意する声も少なくないが、非正規の氷河期世代からすれば、そんな愚痴でさえ嫌みに聞こえるらしい。 「後輩と同じ給料でも安定した正社員で、20代で高給がもらえるだけマシでしょう。30万円って時給1500円で1日8時間、25日働いてやっと。ボーナスはないから、年収は彼らより低い。甘い汁を吸ってきたようなバブル世代のフジテレビの役員連中なんかも、自分が新卒の時のエラソーな面接官を思い出してイライラきますよ」(40代フリーター) 「時給1500円」といえば、石破政権が2020年代中の達成を掲げる最低賃金で話題になっているが、東京商工リサーチが昨年末に発表した調査では、約半数の企業が「達成不可能」と回答している。それが現実だ。それなのに大手の新卒が30万円と聞いたら、怒りももたげてくる。生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏がこう言う。 「非正規に限らず、40代正社員も腹立たしく感じているようですね。20年前の大卒初任給の平均はまだ20万円に届くかどうかで、就活でも散々苦労した。それなのに、今の新卒は大学でも会社でもお客さま扱いでチヤホヤされるせいか、教えを請う気持ちが薄く、覚えも悪い。なのに高給。イラッときてもパワハラになるから怒鳴れない。そんな不満、よく耳にします」 氷河期世代の我慢も、そろそろ限界!?