香川県内の“オレオレ詐欺”被害額が過去最多に…警察官をかたる人物が不安をあおってきたら要注意【香川】

香川県の2024年の特殊詐欺の被害総額は約6億8000万円と、過去最多を更新しました。なかでも激増しているのが、親族などを装ってだます「オレオレ詐欺」の被害。最新の手口を取材しました。 (オレオレ詐欺の再現) 「もしもし母さん?オレオレ、オレだけど…」 親族や警察官などを装い、事件・事故に対する示談金などを名目に金をだまし取る「オレオレ詐欺」。ひと昔前に社会問題となった詐欺のように思えますが、被害が増えていると、警察は注意を呼びかけます。 (香川県警生活安全企画課 長尾宏隆課長補佐(犯罪抑止対策係)) 「1件当たりの被害額がとても大きく、警察としてもこの状況を重く受け止めている」 香川県警によりますと、県内で2024年、認知されたオレオレ詐欺の被害総額は約4億2900万円。2023年と比べると5倍近くに膨れ上がり、2003年の統計開始以降、最も多くなりました。 背景にあるのが、手口の巧妙化です。 (香川県警生活安全企画課 長尾宏隆課長補佐) 「オレオレ詐欺と聞くと、子供や孫から「もしもしオレやけど」という形で電話が掛かってくる手口を想像すると思うが、昨年(2024年)中に増加したのは、警察官などの捜査機関をかたる手口。このオレオレ詐欺が多く発生している」 香川県内で実際に起きた事例です。70代の女性の家に音声ガイダンスによる電話がありました。 (音声ガイダンスの電話) 「今から4時間後に電話が止まります。コールセンターに電話してください」 女性が案内に従い、コールセンターに電話したところ、職員をかたる女が出た後、警察官をかたる男につながり、麻薬事件に関わっている疑いをかけられました。 (警察官をかたる男) 「麻薬事件の容疑者があなた名義の携帯電話を購入していることが分かった。その携帯電話を使って銀行の口座が作られ、容疑者が事件の金を振り込んでいる。このままではあなたの口座が全て凍結され、懲役に行かないといけない」 このあと女性は事件に関わっていないことを伝えましたが、警察官をかたる男は次のように続けました。 (警察官をかたる男) 「捜査に協力してください。捜査のことを話せば守秘義務違反で逮捕する」 また、やりとりはLINEで行われるようになり、警察官をかたる男からさらに指示が…。 (警察官をかたる男) 「このままではあなたの資産が麻薬組織に渡ってしまう。別の捜査員が回収するので、紙袋などに入れて玄関先に置くように」 女性はだまされていると気付かず、約3000万円相当の金と現金1000万円を玄関先に置いたところ、しばらくすると無くなっていました。警察は、捜査機関をかたる複数の登場人物が偽の逮捕状などを見せ相手を脅し、相談できない状況にした上で金をだまし取る手口が年々増えていると注意を呼びかけます。 (香川県警生活安全企画課 長尾宏隆課長補佐) 「そもそも警察はSNSを使った取り調べは絶対にしない。あす、自分の身に起きるかもしれないという危機感を持ち、接触があった時に冷静に対応できる術を身に付けてほしい」 少しでも怪しいと感じた時は警察や親族などにすぐに相談することが詐欺の被害を防ぐ一番の手だてです。

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