うその預託取引を持ちかけてあわせておよそ1億5000万円をだましとったとして、きのう、男女4人が詐欺の疑いで逮捕された事件です。広島県警などの合同捜査本部は、4人の関係する会社が組織的に犯行を行い、およそ43都道府県から1800億円を集めていたとみて、実態解明を進めています。 詐欺の疑いで逮捕されたのは、 ▽東京都品川区の自称・会社員 中井良昇容疑者(57) ▽三重県伊勢市の会社員・長谷川操子容疑者(56) ▽神奈川県横浜市の会社員・岡本和哉容疑者(56) ▽兵庫県宍粟市の無職・杉尾香代子容疑者(55)です。 警察によりますと4人は、「カード型USBなどを購入すれば第三者にレンタルすることで購入代金の60万円を超える収入が得られる」などとうそを言い、被害者2人から合わせて1億5000万円あまりをだまし取った疑いが持たれています。 警察によりますと、4人は当時、カード型USBなどを販売する会社の管理職を務めていたということです。警察は、4人の認否について明らかにしていません。 警察は、一連の預託取引に関して捜査をしていて、その過程で、今回の事案が発覚しました。4人が関係していた訪問販売会社「VISION」などは、約2万人から、1800億円の現金を集めていたとみられ、警察は事件を解明していく方針です。 ■【解説】事件の手口とは 警察は全国的かつ組織的な犯行とみて捜査 ◇今回の事件はどんな手口で行われていたのか まず、被害者に対し、「ライセンスパック」=ゲームソフトなどが入ったUSBを60万円で購入して、それを第三者にレンタルすれば60万円を超える収入が得られるなどと、うそを言って契約させます。しかし実際には、支払いは滞り、被害者が利益を得ることはできません。 今回逮捕に至ったケースでも、当初、被害者2人に対して、月々の支払いが行われていたそうですが、その後、滞ったということです。だまし取った金額のほとんどは、配当とされるものの支払いや人件費などに充てられ、自転車操業状態だったとみられています