【手記】矢吹正道の弟・力石政法「奮い立った。兄弟、同時期に世界王者になろう」王座奪還を祝福

<ボクシング:IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇愛知県国際展示場◇観衆3000人 挑戦者の同級2位・矢吹正道(32=LUSH緑)が3度のダウンを奪う9回TKOで938日ぶりの世界王座奪還を果たした。 王者シベナティ・ノンシンガ(25=南アフリカ)と息詰まる主導権争いから8回終了間際に連打でダウンを奪い、9回も2度のダウンで1分50秒、レフェリーが試合を止めた。矢吹は今後、同級の防衛戦はしないと明言し階級を上げるか、世界王者のまま引退を示唆した。 ◇ ◇ ◇ 兄ちゃん、おめでとう。 5日後に自分もジムを(大橋ジムへ)移籍して初めての試合になるけど、絶対にセコンドにはつくつもりだった。兄は3回目の世界戦。力入れるとか興奮もなく、冷静に試合を動かせたのはさすがやった。 今回、自分が大橋ジムに移ってボクシング人生で初めて(兄弟の拠点が)別れた。正直、寂しい部分はあったし悩んだけど決めた。兄は兄。兄の人生の主人公は兄だし、自分の人生の主人公は自分しかない。向上して進んでいく道は、これしかなかった。 (父親の家庭内暴力で)ボクシングで身を起こそうと一緒に上京したけど、1週間で(上京前の暴力行為で力石が)逮捕された。今はそんなことないけど、私生活面も含めて常に支えてくれたのが兄だった。 性格は違う。自分は向上心が強いけど、兄は安定志向かな。その分、持ちつ持たれつの関係を築けたと思う。ボクシングの見方も違うから、自分の視点からアドバイスできる。その関係があって、今の立場まで上がってこれたと思う。 見事な戦い。俺も奮い立った。兄弟、同時期に世界王者になろう。(スーパーフェザー級は)世界的に厳しい階級。それだけに価値がある。やったるわ。力入った。(プロボクサー)

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