札幌・すすきののホテルで男性が殺害され親子3人が起訴された事件。殺人ほう助などの罪に問われている父親の裁判員裁判で検察側は懲役10年を求刑しました。 検察官) 「裁判で明らかにされた殺害状況に言葉を失いました。警察が逮捕できていなかったらどうなっていたのでしょうか。被告人には出来るだけ重い刑を望みます」。 午前中の裁判では、検察官が被害者の妻の意見を読み上げました。修被告が表情を変えることはありませんでした。 おととし7月、事件はすすきののホテルで起きました。殺人や死体遺棄などの罪に問われているのが田村瑠奈被告です。ホテルの一室で当時62歳の男性の首をナイフで刺して殺害した後、のこぎりなどで頭部を切断し自宅に持ち帰って遺棄したなどとされています。 父親の修被告は殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われています。瑠奈被告が男性を殺害することを知りながら凶器を買い与えたり、持ち去ってきた頭部を瑠奈被告が損壊する様子をビデオ撮影したなどとされています。 修被告の裁判の争点は大きく2つ、「事前に娘の犯行を知っていたか」、「修被告の行動が娘のほう助にあたるかどうか」です。 これまでの裁判で修被告は「事件が起きてから娘の犯行を知った」など瑠奈被告が男性を殺害することを知らなかったと主張。ビデオ撮影についても「撮影したが、遺体に触れていない」などと無罪を主張しています。 18日の論告で検察側は、修被告は瑠奈被告に殺害の理由を聞いたり通報をするなどやれることを全てやらなかったのは計画段階から男性の殺害計画を知っていたからだと指摘。その上で瑠奈被告の犯行は残忍で、そのすべてに修被告が関与しているなどとして懲役10年を求刑しました。