1966年に静岡県警に袴田巖さんの写真を押収された女性のもとに、2025年2月19日、県警から「写真は探したがなかった」と電話がありました。 袴田巖さんをめぐっては、1966年に静岡県旧清水市で一家4人を殺害したとして逮捕され、その後に死刑が確定しましたが、2024年の再審で静岡地裁は無罪を言い渡しました。 静岡市清水区に住む渡辺昭子さん(90)は、逮捕前の袴田さんと家族ぐるみの親交がありました。渡辺さんによりますと、1966年の事件発生から数日後、県警の捜査員が自宅を訪れ、渡辺さんが持つ袴田さんの写真をアルバムからはがして押収したということです。 渡辺さんは写真の返却を求めていましたが、2025年2月19日午前、県警から渡辺さんのもとに電話があり「写真は探したが、なかった。期待に添えず、申し訳ない」話があったということです。 県警の担当者は電話で「当時、渡辺さんの自宅には3人の警察官が行ったという記録があったが、そのうち2人はすでに死亡していて、残る1人は『覚えていない』と話している」と説明したということです。 渡辺さんの次男は県警の対応について「写真は袴田さんとの大事な思い出だった。なくしたのであれば、直接謝罪するべきだ」と話しました。