こんなSOSを出している子どもが、近くにいるかもしれない。そう思わずにはいられない事件です。 日本列島を寒波が襲った2月19日。初公判が開かれた山形市は、青空が広がっていました。 山形地方裁判所の法廷に姿を現したのは、細身で身長が高めの男。 この男が問われている罪は、不同意性交。相手は、未成年の実の娘でした。 (※本記事は性犯罪についての記述があります。また、一部詳細を控え記載している部分があります) 不同意性交の罪に問われているのは、山形県内に住む被告の男です。 検察などによりますと、男は去年9月、相手が16歳未満と知りながら、みだらな行為に及んだとされています。 裁判で被告の男は、起訴内容について問われると、「間違いありません」と認めました。弁護側も事実関係について争わないとしています。 被害者は、男の実の娘でした。 ■相手は実の娘 裁判は被害者に配慮するため、個人の特定にはつながらないよう、実名などの読み上げを避けて進められました。 上下スウェット姿にマスクをして入廷した男は、静かに検察官の冒頭陳述を聞いていきます。 そこでは、およそ3年に及ぶ男の犯行が語られました。 ■きっかけは娘の体の変化 男の犯行のきっかけは、当時小学6年生になった娘の体の変化でした。 娘の体の成長に気づいた男は胸を触るようになり、行為は徐々にエスカレート。みだらな行為に及ぶようになりました。 男はその背徳感に性的興奮をおぼえたといいます。 ■娘への『罰』としての性行為 娘が中学生になると、男は宿題をしなかったことへの『罰』などとして、みだらな行為に及ぶようになります。 被告人質問で男は、罰の理由について「約束ごとを少しでも守ってほしかった」などと話しました。 ■届かなかった「SOS」 長期間にわたる犯行の中、娘は男の犯行について、母親に繰り返し相談していました。そのたびに家族で話し合っていたということです。 男は娘に謝罪し、時には、寝室での寝る位置を変えるなどしていました。しかし、男の犯行は続きました。 証人尋問で母親は、「(夫と娘の)どっちを信じればいいのかわからなかった」と当時を振り返りました。