1988年の2月23日から25日にかけて、名古屋市内の公園で、交際中の若いカップルが6人組の男女に襲われ、執拗なリンチを受けた末に殺害される事件が発覚した。俗に言う「名古屋アベック殺人事件」である。被告は1人を除いて未成年。その凄惨な犯行が公判で明らかになるに連れ、彼ら彼女らへの憤りと、少年法の不備を訴える声が高まっていった。その翌年3月には東京・綾瀬で、4人の少年による「女子高生コンクリート詰め殺人事件」が発覚し、その声はより高まっていったのである。 「週刊新潮」では「名古屋アベック殺人事件」一審判決直前、検察による冒頭陳述を基に残虐犯罪の一部始終を記している。また、「新潮45」(休刊)ではその後の加害者たちの人生も追っている。以下、それを抜粋し、改めて少年法の是非を振り返ってみよう。 【前後編の後編】