2024年8月、福井市のショッピングセンター「ショッピングシティ・ベル」の貴金属店で起きた窃盗事件で、県警などの合同捜査本部は27日、実行犯とみられる県外の20代の男3人を窃盗容疑などで逮捕しました。3人は中部地方を中心に全国を股にかけた窃盗グループのメンバーとみられ、警察は相当な数の余罪があり共犯者もいるとみています。 福井テレビが入手した犯行当時の防犯カメラ映像では、わずか2、3分の間に3人組の犯人らがショーケースから次々と宝石などを盗む大胆な手口が分かります。 事件があったのは2024年8月19日午前2時5分頃、福井市のショッピングシティ・ベル内の時計宝飾店「TAKEUCHI」に複数の犯人が侵入し、指輪やピアス、ネックレスなど287点、時価で合わせて総額4570万円以上の貴金属が盗まれました。 あれから半年。県警は27日、窃盗と建造物侵入の疑いで愛知県生まれの住居不定無職・池野僚容疑者(29)、名古屋市の無職・服部大輝容疑者(29)、岐阜県生まれの住居不定無職・中林理容疑者(29)を逮捕しました。 警察によりますと、池野容疑者らはナンバーを偽造した車に乗ってショッピングセンターを訪れ、鍵のかかった正面中央入口のドアのガラスをバールのようなもので割って入り、店のショーケースを割って商品を盗んだとみられています。侵入から逃走までの犯行時間は、わずか2、3分だったということです。 池野容疑者らは、これまでに全国9府県でトレーディングカードや現金など金目のものを盗む窃盗を繰り返していて、ベルの事件の直後となる2024年10月に別の窃盗事件で愛知県警などに逮捕されました。警察が余罪を捜査する中で、ベルでの犯行に関与していたことが分かりました。県内ではベル以外にも同様の窃盗事件が少なくとも9件確認されていて、これらに池野容疑者らが関与しているとみて慎重に捜査を続けています。 池野容疑者ら3人は分かっているだけで愛知、岐阜、滋賀、三重など9府県で窃盗事件を繰り返していたとみられます。県警によると県内では8月と11月に起きた2つの窃盗事件にこの3人が関わっていましたが、ほかに5人の共犯者が逮捕されています。合計8人の人物が県内で窃盗をしていたということで、背後にはかなり大きな窃盗グループがあるとみられています。 県警は彼らを、SNSを通じて実行犯を募りメンバーを入れ替えながら犯行を繰り返す 匿名流動型犯罪グループ「トクリュウ」の一味の可能性もあるとみて捜査を続けています。