青森県八戸市の「みちのく記念病院」で起きた殺人隠蔽事件を受けて立ち入り検査を行っている八戸市の熊谷市長は28日に会見を開き、「医師の勤務状況について病院の管理体制に不備があり、事実関係の詳細な確認にいたっていないことから現在市として県と調整をしながら同病院に対して改善勧告による行政指導を検討している」と述べました。 この事件では病院を運営する医療法人の理事長 石山隆容疑者と弟で医師の哲容疑者が、おととし3月 病院に入院していた男が同じ病室の男性を歯ブラシで刺して殺害した事件を隠そうとした犯人隠避の疑いで逮捕されています。 捜査関係者によりますと、遺族に渡された死亡診断書には当時認知症の疑いで入院していた医師の名前がありました。 警察のその後の調べでこの医師の名前が書かれた死亡診断書は、2021年4月からおととし3月までに作成され200枚以上に上り、死因の7割が「肺炎」だったことが新たに分かりました。 捜査当局は診断書の偽装が常態化していた可能性があるとみて調べを進めています。 事件を受けて青森県と八戸市保健所は、医療法に基づく病院への立ち入り検査を行っています。 検査では医師の勤務状況や病室の状況などを中心に確認し、過去にも同様の事案がなかったかなどを調べています。