ドイツで群衆に車が突っ込む、2人死亡 西部マンハイム

ドイツ西部マンハイムで3日、車が歩行者専用区域の群衆に突っ込んだ。当局によると、83歳の女性と54歳の男性の計2人が死亡した。 捜査当局によると、5人が重傷、5人が軽傷を負った。 当局は、単独の容疑者としてドイツ人男性(40)を拘束した。過激主義との関連はないとされ、「精神疾患の具体的な兆候」がみられるという。 検察によると、この容疑者は造園業者。空砲を込めた銃で自らを撃った後、病院に入院している。容体は安定しているという。 マンハイム警察によると、事件は午後12時15分ごろ発生した。 監視カメラの映像には、黒いハッチバックの車が市内のプランケン商店街を西に向かってスピードを上げて走行する場面が映っている。 現場の画像では、前部を大きく損傷した小型の黒いフォードの車を、警察が調べていたのがわかる。また、左前輪のホイールキャップが欠けているのもわかる。 バーデン=ヴュルテンベルク州のトーマス・シュトロブル内相は、この車を容疑者が「凶器として」使ったと説明。「今回の行為は、車を凶器として悪用した最近のいくつかの犯罪の一つだ」とした。また、同市ではイースターのカーニバルが開かれていたが、それとの関係を示す証拠はないと述べた。 マンハイム主任検事のロメオ・シュスラー氏は、2件の殺人と数件の殺人未遂の疑いで、警察が捜査を進めていると記者団に説明した。 マンハイムのクリスティアン・シュペヒト市長は、「おぞましく、非人道的」な事件だとコメント。 「私たちは死者と負傷者、その家族と友人たちに思いを寄せている」とした。 近く退任するオラフ・ショルツ首相は、ソーシャルメディアへの投稿で、救急隊に感謝し、事件の目撃者が「自らの経験を処理する」ための「強さ」をもてるよう祈った。そして、「無意味な暴力行為の犠牲者たち」に対して哀悼の意を表明した。 ドイツ各地ではこの時期、イースターの祝祭に関連した野外カーニバルが開かれており、警備が強化されている。 マンハイム中心部では2日、パレードが実施された。4日には大きなイベントが予定されていた。しかしこの事件を受け、市場は閉鎖され、市中心部のカーニバルも中止となった。近郊のフォイデンハイム、ネッカラウ、ザントホーフェンでのカーニバルも取りやめとなった。 ドイツでは昨年来、凶悪事件が続き、死者数人と数百人の負傷者が出ている。 9カ月前には、今回の現場から数ブロックしか離れていないマンハイム市内で、アフガニスタン人の男性が数人を刺し、警官1人を殺害した。 昨年8月には、西部ゾーリンゲンでナイフによる襲撃事件が発生し、3人が死亡、8人が負傷した。起訴されたシリア人の男性は、武装勢力「イスラム国(IS)」との関係が疑われた。 同12月には、東部マクデブルクのクリスマスマーケットの群衆に車が突っ込み、6人が死亡、299人が負傷した。サウジアラビア出身の精神科医(50)が逮捕された。 今年1月には、バイエルン州アシャッフェンブルクの公園で、小さな子どもたちがアフガニスタン人の難民認定申請者(28)に襲われた。2歳の男児と、この子を助けようとした通行人1人が殺害された。 さらに2月には、南部ミュンヘンで群衆に車が突っ込み、20数人が負傷した。後日、この時のけがにより母子が死亡した。当局は、アフガニスタン出身の難民認定申請者(24)を拘束した。 (英語記事 Two dead after car drives into crowd in Germany)

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