覚醒剤を組織的に密売していたとして、指定暴力団稲川会大場一家幹部を含む組員3人らが逮捕された事件で、富士署と静岡県警薬物銃器国際捜査課、捜査4課などは6日、沼津市の大場一家本部事務所を家宅捜索した。事件では、大場一家の幹部らから指示を受けた同一家系組員が覚醒剤の受注から受け渡しまでを担っていた構図がある。県警は上層部の関与を追及するとともに、密売による多額の収益の流れを特定していく。 県警によると、覚醒剤取締法違反などの疑いで逮捕、再逮捕された大場一家系組員の無職の男(49)=富士市松岡=が、買い受け客からの依頼を携帯電話で受けると人目のつかない場所を指定して直接会い、手渡ししていたとされる。同じく逮捕、再逮捕された大場一家幹部の無職の男(50)=沼津市下香貫石原=と大場一家系組長の無職の男(50)=静岡市駿河区南安倍=が組員の男に指示を出していたという。 覚醒剤を買い受けた県内外の40~60代の男女17人も同法違反の疑いで逮捕されていて、一連の事件で判明した客は数十人に及ぶ。 6日の家宅捜索は午前10時に開始。押収物用とみられるケースなどを持った捜査員約20人が一斉に事務所に入り、約50分間にわたって事務所内の捜索を続けた。