異動前の支店貸金庫に補填か スペアキー持ち出し、変装も 三菱UFJ元行員3回目逮捕・警視庁

三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の資産が盗まれた事件で、元行員山崎(旧姓今村)由香理容疑者(46)が、同行練馬支店から異動した別の支店でも現金を盗み、練馬支店の貸金庫に補填(ほてん)していたとみられることが10日、警視庁捜査2課への取材で分かった。 山崎容疑者が異動の際、貸金庫のマスターキーや顧客用の鍵のスペアをそれぞれ無断で持ち出していたことも判明。練馬支店の貸金庫へ入室する際は、元同僚らに気づかれないようマスクと帽子で変装していた。 同課は同日、異動先の玉川支店の貸金庫から現金1650万円を盗んだとして、同容疑者を窃盗容疑で再逮捕した。逮捕は3回目で、「(顧客の)現金に手を付けたことは間違いない」と容疑を認めているという。 同課によると、同容疑者は昨年10月1日付で玉川支店へ異動。同月下旬に現金を盗んだ後、2日間に分けて練馬支店を訪問し、発覚を防ぐため複数の顧客の貸金庫に現金を戻していたとみられるという。 窃盗の被害に遭った顧客は少なくとも約60人、貸金庫から盗まれた現金や金塊は総額約17億円相当に上るとみられる。同課は少なくとも10億円の損失が出ていた外国為替証拠金取引(FX取引)や競馬に流用したとみて、全容解明を進める。 逮捕容疑は同行玉川支店に勤務していた昨年10月下旬、顧客の60代男性の貸金庫から現金1650万円を盗んだ疑い。 同容疑者は昨年3月と9月、同行練馬支店の顧客男性2人の貸金庫から、金塊計約22キロ(計約2億8200万円相当)を盗んだとして逮捕、起訴されていた。

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