佐々町が入札方法を変更 町長の逮捕受け…空白時間に情報漏れた可能性 長崎

長崎県北松佐々町長の古庄剛容疑者(77)が官製談合防止法違反(入札妨害)などの疑いで逮捕されたことを受け、町は10日の町議会全員協議会で、3~4月の工事関係の入札方法を見直すことを報告した。同町の入札手続きでは、最低制限価格の決定時刻と入札開始時刻の間に45分程度の空白時間があり、その間に情報が漏れた可能性もあることから入札直前に最低制限価格を決めることに改める。 町によると、工事関係の入札は通常、入札当日朝に町長と担当課の課長、課長補佐の3人が町長室に集まり、最低制限価格を決める。問題となった昨年7月26日の入札は、給水管改修の指名競争入札を含めて計4件があり、価格決定の過程で古庄容疑者が数字を確認できるのは15分程度だったという。 町長室での価格決定に立ち会った課長は長崎新聞の取材に「(15分間に)町長に不審な点やメモを取るような動きはなかった」と証言した。課長らが町長室を退室後、入札開始までの約45分間は町長は1人だったという。庁内では「漏らすとすれば1人になったときではないか」との見方が出ており、9日の緊急課長会でも指摘が上がった。 県警は、共謀したとして、同町の会社員、山口情二(62)、同町の会社役員、木田栄三(53)の両容疑者も公競売入札妨害の疑いで逮捕。最低制限価格の決定後、入札までの間に古庄容疑者が山口容疑者に電話で情報を漏らし、山口容疑者から落札した「山龍」の代表取締役である木田容疑者に情報が伝えられたとみて調べている。 町によると、3~4月には農林、建設、災害復旧関連で計7件の入札が予定されており、すべての入札で仕組みを見直す。新たな入札制度も検討しており、町は「町長選後、新しい執行部体制になってから制度を構築したい」としている。 全員協議会では中村義治副町長(66)が謝罪。逮捕を受けた職務代理者を早ければ11日にも置くことを報告した。職務代理者には中村副町長が就く予定。

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