昨年12月、恋人とビーチでくつろいでいた無関係の観光客が、人違いで頭を2発撃たれて殺される残酷な事件が起きた。殺害を命令した首謀者は、元恋人の現在のパートナーを標的にするように指示していたが、その時にビーチにいた唯一のカップルの男性が間違って射殺された。警察の調べでは実行犯への報酬はわずか3万レアル（約77万円）だったと10日付G1などが報じた。 サンパウロ州沿岸部グアルジャ市で2024年12月19日、観光客ジョアン・ヴィクトル・ブリット・ローザさん（20歳）が突然、頭を銃で撃たれて死亡する事件が発生した。首謀者ヴァギネル・セバスチオン・バルボーザ容疑者（43歳）は、元恋人の家族が別荘を持つビーチ付近に車を停め、彼女の現在の恋人を殺すように実行犯に命じていた。 当日、ジョアンさんとその恋人は同州カラピクイーバ市から日帰りで観光旅行に遊びに来ていた。突然、ヴァンデルレイ容疑者が現れ、「強盗だ」と告げた直後にジョアンさんの頭部に向けて2発発砲。他の2人と共に車で逃走した。 首謀者が現場まで行って確認せず、その観光客カップルの女性がたまたま元恋人に似ていたため、実行犯が誤って別人を射殺したとみられている。事件には3人が関与しており、殺害を指示した首謀者と、犯行に使用した車を運転していたエリアキン・フェレイラ・ド・ナシメント容疑者の2人は逮捕されたが、実行犯ヴァンデルレイ・アルヴェス・オリヴェイラ容疑者（53歳）は現在も逃亡中だ。 警察によれば、ヴァンデルレイ容疑者は約3万レアルで雇われ、エリアキン容疑者には5千レアル（約13万円）が支払われたという。警察は当初強盗事件として捜査していたが、被害者から物品が奪われていないことから、実際は殺人目的であったことを特定。 その後の捜査で、エリアキン容疑者は今年1月20日にサンパウロ市内で逮捕され、さらにヴァギネル容疑者も2月初旬に、カポン・レドンド市で逮捕された。ヴァギネル容疑者はフードトラックを経営しており、そこで「マタドール（殺し屋）」と命名されたハンバーガーを販売していたため、これも警察の注目を集めた。 犯行後は、黒い車に乗り込み、逃亡する犯人らの映像も公開された。警察は引き続き、実行犯ヴァンデルレイ容疑者の行方を追っており、市民の目撃情報を求めている。