ドジャースとカブスが対戦するMLBの開幕戦「MLB東京シリーズ presented by Guggenheim」が18、19日に東京ドームで行われる。今年はドジャースが大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手、カブスが鈴木誠也外野手、今永昇太投手と総勢5人の日本選手が出場予定だが、MLBの公式戦は日本選手が不在だったメッツとカブスが対戦した2000年から今年で6度目。日本の野球史に刻んだ過去5度を振り返る。 ◆2004年3月30、31日(東京ドーム) (1)デビルレイズ8○3ヤンキース (2)ヤンキース12○1デビルレイズ 前年、ワールドシリーズ(WS)でマーリンズに敗れたヤンキースは、巨人から移籍2年目の松井秀喜外野手が日本人選手として初めて日本開幕戦に出場した。このシリーズでは、1席5000円の外野席を「50円」で購入し、転売しようとした男が逮捕されるなど、場外でも注目を集めた。 松井は2試合とも「2番・左翼」で先発。第1戦でシーズン初打席初安打、第2戦では3―1の5回1死一塁で右中間へ初アーチを放った。この年はメジャー自己最多の31本塁打。大谷が46本塁打をマークした2021年まで、日本人選手のシーズン最多記録だった。 年俸総額200億円(当時)といわれたヤンキースのメンバーは、名将ジョー・トーリ監督、野手はデレク・ジーター、アレックス・ロドリゲス、ホルヘ・ポサダ、ゲーリー・シェフィールド、ジェーソン・ジアンビ、投手もマイク・ムシーナ、マリアノ・リベラら豪華絢爛(けんらん)だった。両打ちのポサダは第2戦で、左右の打席でそれぞれ3ランを放つ離れ業を演じた。ただ、チームはこの年、ア・リーグ東地区7連覇を果たすも、00年以来のWS制覇には届かなかった。 一方のデビルレイズ(現レイズ)は当時球団創立7年目。万年最下位チームの注目は、前年盗塁王に輝いたカール・クロフォードだった。開幕2戦は1安打1盗塁で、シーズン後に再び盗塁王を獲得。完全に主力に定着し、08年には岩村明憲とともに球団初の地区優勝、リーグ優勝に貢献した。