3月19日、元オーガスタ・ナショナルGCの従業員に“1年の実刑判決”が言い渡されたというニュースが入ってきた。 ジョージア州エバンス出身の元従業員の名は、リチャード・グロベンスキー。2009年から22年までオーガスタ・ナショナルGCの倉庫アシスタントとして勤務。その間にマスターズ・トーナメントのシャツや帽子、時計などのグッズ。さらには、歴史的にも貴重な3着のグリーンジャケットなどを持ち出し、それらの盗品はブローカーに売られ総額は500万ドル、日本円にして約7億5千万円以上という大金を手にしたという。 3着のグリーンジャケットはアーノルド・パーマー、ジーン・サラゼン、ベン・ホーガンのものとどれも貴重な品。その中でパーマーが1958年に初優勝したときのグリーンジャケットが、シカゴのリンカーンパークにあるコレクターの家で押収されたことから、グロベンスキーの逮捕につながった。 グロベンスキーは派手な生活を送っており、60万ドル(約9千万円)の自宅を購入し、高級車を5台所有。親族でディズニーでのバケーションを楽しみ、ルイ・ヴイトンなどの高級バックも所有していた。 グロベンスキーが最初に窃盗したのは当時22歳であった2007年のこと。白と緑のタオルから、どんどんと窃盗はエスカレートしていった。ちなみにマスターズ・グッズは大会期間中にコースでしか購入できないため、市場では高値で取引されている。 逮捕後、グロベンスキーは罪を認めてFBIの捜査に協力。すでに自宅を売却しオーガスタ・ナショナルGCに160万ドル(約2億4千万円)の小切手を送付したことから「実刑1年」に軽減されたと報じられた。(文・武川玲子=米国在住)