よぎる60年前の悪夢、自民党都議の「黒い霧」事件。繰り返される「政治とカネ」の歴史。不祥事直後の都議選はどうなる?

「東京地検特捜部が自民党都議を次々と逮捕」「議長選を巡る贈収賄事件」。現代の話ではない。60年前、1965年3月から続いた逮捕劇のことだ。 この不祥事を受けて、当時の東京都議会は解散し、選挙戦になだれ込んだ。不祥事で大逆風の自民党は惨敗し、第1党から転落する。一連の事件は松本清張さん(1909~92年)のノンフィクション「日本の黒い霧」になぞらえて「都議会黒い霧事件」と呼ばれた。 そして現代。昨年から今年にかけ、都議会の自民党で再び大規模な不祥事が明らかになった。議員らが政治資金パーティーの収入を中抜きし、裏金化していた問題だ。逆風の中で6月に都議会選挙を迎える自民。歴史は繰り返すのか。(共同通信=鈴木拓野) ▽議会を解散、そして逆風選挙 60年前の「黒い霧」はどんな事件で、その後都議会では何が起きたのか。まずは当時の状況を振り返る。 東京地検特捜部は1965年の3月15、16日、議長選を巡って金銭の授受があったとして、贈賄容疑で都議1人、収賄容疑で都議2人を逮捕。これと前後して贈賄容疑で議長の自宅を家宅捜索した。さらに都議の逮捕を重ね、4月16日にはついに都議会議長の逮捕にこぎ着けた。

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