3月19日、看護師らによる入院患者への暴行事件があった東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」(現「希望の丘八王子病院」)で、死亡した入院患者に関して虚偽の診断書を作成した容疑で、警視庁が元院長と当時の男性担当医を書類送検したことが判明した。 滝山病院での暴行事件は2023年に発覚し、計5人の看護師や准看護師が逮捕または書類送検されている。さらに、「患者をほぼ裸の状態にさせる」「他の患者から見える状態でおむつを交換する」「患者の顔に熱いお茶を浴びせる」などの虐待が横行していた事態も、第三者委員会による調査で発覚している。 また、2月23日には、岐阜県海津市の精神科病院「養南病院」で2023年10月に男性看護師が女性患者を押し倒し首をつかむ暴行を加えていたことが判明した。 なぜ、精神科病院では虐待事件が多発するのか。また、虐待を予防・対策するための法律や制度は、有効に機能しているだろうか。 精神保健福祉士としての実務経験を有し、滝山病院で患者側の代理人を務めるなど精神科病院に関する事件を複数担当してきた、相原啓介弁護士に話を聞いた。