元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は10日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に東京のスタジオからリモート出演。交通事故後に搬送先の病院で看護師に暴行したなどとして傷害の疑いで現行犯逮捕された広末涼子容疑者(44)の都内の自宅を、静岡県警が10日、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで家宅捜索した狙いについて分析した。 広末容疑者は、逮捕事案となった病院での行為の直前に新東名高速道路で乗用車を運転中に追突事故を起こしている。同乗していたマネジャーを名乗る男性は、骨折の重傷を負っていたことが分かっている。 傷害の疑いではなく、危険運転致傷の疑いでこの日家宅捜索が行われた背景について、若狭氏は「基本的には(病院での看護師への暴行とは)別々の事件。今朝、こういう形で危険運転致傷罪(容疑)で家宅捜索したということは、当局としては捜査の重点は危険運転致傷罪の立件ができるかどうか、その事実で責任を追及できるかに重点がシフトしてきたということ自体は言えると思います」と述べた。 「自ら運転していてけがをしても、これは危険運転致傷罪には当たらない。自分以外の第三者に対してけがをさせた。しかもそれが薬の影響で事故を起こしたということに基づいて、同乗者を含めてけがをさせた場合に、危険運転致傷罪というのが成立する余地が出てくるということです」とも述べた。 危険運転致傷罪について「かなり厳しい犯罪とされている」としながらも、若狭氏は「(今回)これが認められるための要件は、結構難しいハードルがある」と指摘。「いわゆる過失運転は本当の過失、運転ミスで起こしたものだが、危険運転致死傷罪はあくまで、自分が薬物の影響できちんとした運転できないと分かっていながら、それでも運転していたという『危険性』について認識しながら運転していたという点がきちんと認められないと、危険運転致死傷罪にはならない。ハードルは高いとは思います」と述べた。