【解説】広末涼子容疑者の勾留認める…今後の捜査の流れとは?傷害事件の事実関係調査で勾留期間延長されるケースも

交通事故を起こしたあと傷害の現行犯で逮捕された俳優の広末涼子容疑者について、静岡地裁浜松支部は10日午後、10日間の勾留を認める決定を出しました。 勾留期限は4月19日となったわけです。 元警察庁幹部で、兵庫県警の刑事部長などを歴任された棚瀬誠さんと見ていきます。 青井実キャスター: まず、勾留が認められたということですが、これについてどう思われますか? 棚瀬誠さん: 傷害の事実について証拠隠滅、または逃亡の恐れが認められたということだと思います。当局としては、そのため身体拘束を解かずに捜査を引き続き継続することになります。 青井実キャスター: 勾留することで何かを調べたいということはあるのでしょうか。 棚瀬誠さん: このたび、傷害の罪の事実関係、原因がどのようなものだったのかという点をしっかりと調べたいということだと思います。 青井実キャスター: 傷害罪というのは、病院内で起きたことを調べていくということですね。 まず、事件の経緯から振り返っていきます。 広末容疑者が現行犯逮捕されたのは、搬送先の病院で看護師を暴行したことによる傷害事件です。 ただ10日、家宅捜索が実は行われていたんですが、家宅捜索を行ったのは追突事故に関してということで、捜査関係者によりますと、危険運転致傷の疑いがあるということで家宅捜索を行ったということです。 青井実キャスター: まず、家宅捜索を行った理由はどう見ますか? 棚瀬誠さん: 家宅捜索を行ったこと自体は全く違和感がないんですが、傷害の事実で逮捕されて、その原因が一体何だったのかを調べたいということが1つ考えられます。また、薬物に起因する動機というものがあるんだとすると、いかなる薬物を処方されていたのか、服用していたのかといったことの取り調べを含めて捜査していくということだと思われます。 青井実キャスター: 広末容疑者の場合、どういった点が危険運転に当たる可能性があるのでしょうか。 棚瀬誠さん: 危険運転致死傷罪というのは、薬物の影響やアルコールの影響によって危険な運転をするという事実関係で重たい罪なんですが、このたびは薬物の影響により危険な運転をしたと考えているということだと思います。 青井実キャスター: ただ、衝突したトレーラーの運転手にはけがはなかったけれども、危険運転致死傷の疑いになるんですね。 棚瀬誠さん: 同乗者の方がけがをしているというところを、トレーラーの運転手にけががなくても同乗者にけががあるとするならば、同乗者の被害届だとか告訴がなくてもこの罪は成立します。 宮司愛海キャスター: そして、広末容疑者はこれまで任意の薬物検査に応じています。その結果、覚醒剤などの違法薬物は検出されていませんが、警察はより詳細な鑑定、本鑑定をしているということです。市販薬を服用して事故を起こすケースがあるのか、その辺りも今後、勾留請求が認められたということで詳しく調べられていくことになるんですか? 棚瀬誠さん: 簡易鑑定の結果、違法薬物は検出されなかったとしても、本鑑定の結果によって違法な薬物が検出される可能性もまだ残されていますし、そもそもこの時節柄、花粉症のお薬、例えば処方薬・用法によっては運転に影響を及ぼすので、眠気が来るから服用しないようにという用法も記載されているぐらいですので、危険な運転、そもそも眠気を及ぼすということでは交通事故に至るケースはあるんだろうと思います。 青井実キャスター: 市販の薬で事故を起こしても罪に問われるんですか? 棚瀬誠さん: ここでいう危険運転致死傷の薬物というのは違法薬物に限られませんので、危険運転の対象になります。最近ですと市販薬のオーバードーズの例もありますが、オーバードーズを起こすこと、その影響を理解しながら運転していたということであれば、この罪は成立し得ます。 SPキャスター 金子恵美さん: オーバードーズでなくても、対面で薬剤師の方から処方される時は「飲んだら注意してください」と言われるのでそれは意識しますが、市販薬だと手軽に気軽に飲んでしまって、運転をしている方もいらっしゃるかもしれませんから、そこは本当に注意しないといけないですよね。 棚瀬誠さん: 今回は傷害の事実で逮捕・送検され勾留が付きました。勾留期間は10日ですが。さらに10日延長される可能性もあります。また、危険運転致死傷罪で捜索・差し押さえをしておりますので、危険運転致死傷罪の事実をどう捜査していくのかというのが、次なる捜査として順番としては傷害、危険運転致傷という順番で捜査が進んでいくものとみられます。 青井実キャスター: 最長10日間の勾留ということで、これが短くなるケースもあれば延長するケースもあるということですね。どういう手順で進んでいくんでしょうか? 棚瀬誠さん: そもそも、身体の拘束下で取り調べが必要だという判断は、すなわち、どれだけの捜査事象、事項が残っているのかがポイントになります。捜査が10日以内で終わったということであれば勾留は解かれますし、まだ足りていないということであれば延長になりうると。実際に捜査の進捗具合によりけりになります。 SPキャスター 金子恵美さん: このまま捜査が進むのを待つところはあると思うので、断定的なことはなかなか言えないんですけれども、やはり不可解な行動というか、不安定な要因は何であるのかということも併せて捜査する中で、適切な環境の中で処置というか治療かもしれませんけれども、そういったことも含めて見ていかないといけないと思うんですが、いかがですか? 棚瀬誠さん: その通りだと思います。障害の原因が薬物の可能性も当然、考えられますので。薬物に応じた処置というのが当然、ついてくると思います。 広末容疑者に10日間の勾留を認める決定が出たことで、勾留されたまま取り調べを受けることになります。

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