ネットフリックス『アドレセンス』は各話ワンカット撮影した驚愕のリミテッドシリーズ!

突如としてノーマークの作品が社会的ブームを起こすことがある。ネットフリックスで3月に配信された『アドレセンス』は、まさにその典型的な例だ。内容、映像とも、ちょっと驚きのレベルで観ているこちらを没入させる。 3/13に4話で配信された『アドレセンス』は、ネットフリックスのリミテッド・シリーズ(1シーズン完結のドラマ)として記録的な視聴回数を達成。グローバルランキングで3週連続1位と、大きな反響を起こしている。イギリスの町に暮らす13歳のジェイミーが、同じ学校の女子生徒を殺した容疑で逮捕されるという、ショッキングな設定。本当に彼が事件に関わったのか? どんな動機があったのか? 警察や家族、学校の友人など周囲の人物の視点とともに真相が明らかになるストーリーだが、驚くのは、約60分の各話がすべてワンカット、つまりカメラが回ったまま一度も途切れずに撮影されたこと。ジェイミーの自宅に警官らが突入し、彼と家族を警察に連行。そこから警察内での各人物の移動が、違和感のないワンカットで収められる。この手法で“逮捕された人物がどう扱われるか”が生々しく伝わり、戦慄が倍増するのだ。動き回るカメラは、そのままドローンやクルマのボンネットにも取り付けられたりして、奇跡のワンカット映像が完成された。 そしてストーリーの衝撃も予想以上。事件の真相はもちろんだが、さまざまな問題で荒れる学校や、勾留されたジェイミーの隠れた本質などが、大人には理解できないリアリティで迫ってくる。子供から青年への過渡期である“アドレセンス”の、過去の時代とは違う実態も本作の大きなテーマだ。500人からジェイミー役に選ばれたオーウェン・クーパーが、やり直しのきかないワンカット撮影にも完璧に対応して全身全霊の熱演をみせるなど、キャストの表現力もスーパー級。プロデューサーにはブラッド・ピットも名を連ねているし、監督のフィリップ・バランティーニは本作の大成功によってハリウッド大作の監督も打診されているので、いま観ておくべき作品であることは間違いない! 『アドレセンス』配信中 製作総指揮/ブラッド・ピット 製作総指揮・監督/フィリップ・バランティーニ 脚本・出演/スティーヴン・グレアム 出演/オーウェン・クーパー、アシュリー・ウォルターズ、エリン・ドハーティ 配信/ネットフリックス 2025年/イギリス/全4話

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