「自転車を投げつけ、他の人にからんでいる男性がいます」 警察に、こう110番通報が入ったのは4月20日の夜10時過ぎだった。 神奈川県警伊勢佐木署が同日、器物破損と暴行の疑いで逮捕したのは横浜市南区に住む福田竜一容疑者(40)だ。福田容疑者は中日新聞東京本社販売局マーケティング部に所属する社員。事件は横浜市中区内の路上で起きた。 「夜10時過ぎ、路上を歩いていた福田容疑者は近くにあった他人の自転車に目をつけたようです。自転車を持ち上げると、駐車していた乗用車に投げつけたとか。車は助手席のドアがヘコみ、左前部が破損したといいます。 福田容疑者の犯行は、これだけで収まらなかったようです。通りかかった20代の男性が注意すると、彼の頭部を左腕で抱えヘッドロック。その様子を見た通行人が110番通報し、福田容疑者は駆けつけた警察官に現行犯逮捕されました」(全国紙社会部記者) ◆〈昼過ぎから酒を飲んでいました〉 本誌カメラマンは、4月22日に行われた福田容疑者の送検を撮影。うつむくこともなく平然と護送車に乗り込んだ。 福田容疑者は逮捕後、警察の取り調べに対し次のような呆れた言い分を主張しているという。 〈(当日は日曜日で)昼過ぎから友人と酒を飲んでいました。酔っていたので覚えていません〉 元神奈川県警刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。 「おそらくストレスが溜まっていたのでしょう。酒が入ると本音が出るだけでなく、鬱屈した思いは行動にも出ます。私も器物破損の疑いで何人も容疑者を取り調べたことがありますが、たいがい犯行動機はストレスでした。しかし車に自転車を投げつけたうえ、通行人に暴行を加えるなど明らかに行きすぎでしょう。 ストレスを抱えているのは今回の容疑者だけではない。すべての人が、多かれ少なかれストレスを感じて生きています。ましてや容疑者はメディアで働く人間です。事件を起こせば、大きく報じられることはわかっていたはず。容疑が間違いないなら、自分を律しきれなかった脇の甘い行動と言わざるを得ないでしょう」 中日新聞東京本社は〈当社の社員が逮捕されたことを、重大に受け止めています。事態確認を急ぎ、厳正に対処します〉とのコメントを発表している。