神奈川の特殊詐欺被害額、過去最悪ペース 1~3月 警察官装う手口目立つ

神奈川県警は1~3月に認知した特殊詐欺の統計(暫定値)で、認知件数が前年同期比約43・8%増の506件に上り、被害額は同約142・3%増の約21億5900万円に達したと発表した。過去最悪だった昨年1年間の被害額約65億5800万円(同)を上回るペースで推移しており、危機感を強める県警は「不審な電話があったら、ためらわずに警察に相談してほしい」と呼びかけている。 最も多い手口は約133・7%増の236件を認知し、被害額が約188・3%増の約14億7300万円に上った「おれおれ詐欺」。県警暴力団対策課によると、警察官をかたって「あなた名義の口座が犯罪に使われている」「無罪証明のために現金を振り込んで」「自宅に行く警察官に現金を渡してほしい」などと不安をあおる電話をかけ、金銭をだまし取るやり方が目立つという。 同課によると、警察官をかたるやり方は昨年1年間で252件確認され、被害額は約26億4千万円だったが、今年は1~3月ですでに69件に上り、約4億2800万円の被害が確認されている。ビデオ通話を使ってスーツ姿の偽警察官が偽の逮捕状を示したり、制服姿の偽女性警察官が登場したりするケースも報告されているといい、同課は「警察官がオンラインで逮捕状を示すことは絶対にない。詐欺と疑ってほしい」と強調する。

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