「部屋が…」 容疑者の父が語った2年前の異変 大阪・7人重軽傷

大阪市西成区で小学生7人が車にはねられて重軽傷を負った事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された矢沢勇希容疑者(28)が送検された。動機の解明について本格的な捜査が始まる。 矢沢容疑者の60代の父親は3日、毎日新聞の取材に応じ、「メンタルは強い方じゃないが、なぜこんなことになったのか分からない」と涙を流しながら複雑な心情を吐露した。 父親によると、矢沢容疑者は大学卒業まで埼玉県内の実家で過ごした。両親が医療に携わる仕事を勧めたことから診療放射線技師を目指し、東京都内の大学に進学。学生時代はフットサルサークルに入っていたといい、「明るくて活発な子だった」という。 目標がかない、大学卒業後は診療放射線技師として病院で勤務。4、5年前から東京都東村山市の団地で1人暮らしを始めた。引っ越しを手伝った父親は部屋や身なりを整えるようアドバイスし、「頑張れよ」と声をかけた。 異変を感じたのは2年ほど前。部屋が散らかりだし、「無精ひげを生やして、だらしなくなっていた」。2024年1月には自殺を図り、救急搬送された。父親は理由を聞いたが、明確な答えは返ってこなかった。 その後に家族で食事に出かけた際は容疑者が笑顔を見せることもあり、「(息子は)まだ頑張れるなと、少し安心したところだった」と語った。容疑者と会ったのは、これが最後だった。 事件については「お子さんたちにけがをさせてしまい、本当に申し訳なく思っている」と声を震わせた。容疑者は大阪に土地勘がないといい、「なぜあそこに行ったのか分からない。事件を思いとどまれなかったのか。(息子に)何があったのか知りたい」と話した。【松原隼斗】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加