住所不定、無職の藤沼登夢(ふじぬま・とむ)容疑者(29)は1月、宮城県内に住む男子高校生が誘拐されていると知りながら、特殊詐欺に加担させる目的でタイからミャンマーに連れ去った疑いで逮捕されたものです。 高校生は、オンラインゲームを通じて知りあった何者かから「簡単な作業で金がもらえる」などと誘われました。 この時、犯罪に加担させられることは伏せられていたといいます。 そして1月、タイに渡航します。 藤沼容疑者は空港で合流した高校生と白い車へと乗り込み、ミャンマーに連れ去ったとみられます。 ミャンマーでは特殊詐欺グループ拠点で「かけ子」をさせられたとみられています。 報酬を受け取った事実は確認されていないということです。 そして、タイ当局に保護されたあと帰国しています。 一方で、藤沼容疑者は2月にタイ当局に拘束された後、大阪府警により監禁などの疑いで逮捕・起訴されていました。 捜査関係者によりますと藤沼容疑者は、特殊詐欺グループのリクルーターとみられていますが、その後の取材で高校生がタイへと渡航するためのチケットなどを藤沼容疑者らのグループが手配していたとみられることが分かりました。 警察は、藤沼容疑者の認否を明らかにしていませんが余罪や共犯者についても調べを進めています。 今回、宮城県警が藤沼容疑者を逮捕した罪名は「被略取者等所在国外移送」という容疑で、誘拐されている人物を国外へと移送するというものです。 特殊詐欺に関係するこの容疑での逮捕は国内でも珍しく宮城県内では初めてだということです。