川崎死体遺棄事件で見えた「警察格差」、地域や担当者により明らかな能力差、もし「警察ガチャ」に外れてしまったら

(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎) ■ 地域や担当者によって警察の対応力に明らかな差 元交際相手からのストーカー被害を訴えていた川崎市の岡崎彩咲陽さん(20)が昨年12月に行方不明となり、今年4月に市内の住宅で遺体となって見つかった事件は、交際相手だった白井秀征容疑者(27)が死体遺棄容疑で今月3日に逮捕された。だが、この事件をめぐる神奈川県警の対応には、疑問の声が相次いであがっている。 9日には県警が事件前後の対応を確認する検証チームを設置したというが、神奈川県警には過去にも大きな失態がある。オウム真理教が引き起こした坂本弁護士一家殺害事件をめぐる捜査のあり方だった。そのことについては、川崎の事件と比較しながらまとめている。 (参照記事)【川崎20歳女性死体遺棄事件】神奈川県警は最悪の結果を防げなかったのか、坂本弁護士一家殺害事件の教訓はどこへ(2025.5.5) 坂本事件をめぐっても検証はなされているはずなのに、繰り返される同県警の“失態”。これはもはや、組織として受け継がれる負の体質なのではないか。あるいは、所属する警察官の資質や能力の問題なのか。 そうなると、日本の警察組織の事件対応能力は一枚岩ではなく、地域によって違いがあることになる。言い換えれば、警察格差だ。これは住民にとっては深刻な問題だ。自分の暮らす所轄署がアタリかハズレか。治安にも影響するばかりか、まさに「警察ガチャ」あるいは「担当捜査員ガチャ」に苛まれることになる。 川崎の事件では、白井容疑者から「殺すぞ」とのメールが被害者に届いていたことを、岡崎さんの家族が神奈川県警へ伝えていたとも報じられている。私もかつて、このサイトで配信した記事に絡んで、SNS上で脅迫されたことがある。その時の警視庁の対応について振り返っておきたい。

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