都内で発生した火災の現場で現金300万円などを盗んだとして警視庁捜査1課の警部の男が逮捕されました。 千葉県柏市に住む警視庁捜査1課火災班の係長で警部の政野亮二容疑者(51)は今年1月、江東区の火災現場から現金1000円を盗んだほか、2022年には渋谷区の火災現場から現金およそ300万円などを盗んだ疑いが持たれています。 警視庁によりますと、政野容疑者は警視庁捜査1課の火災班に所属していて、火災後の現場で「掘り起こし」と呼ばれる火災の原因を調べる作業を行う際に焼け跡などから現金を見つけ、ズボンのポケットに入れていました。 盗んだ現金は自身の銀行口座に入金し、生活費などに使っていたとみられています。 今年1月に匿名の人物から警視庁に通報があり、任意で事情聴取を行ったところ、本人が認めたことから事件が発覚しました。 取り調べに対して政野容疑者は「お金がいくらあっても将来のことを考えると不安になる」と話していて、容疑を認めています。 また、供述の中で2022年から今年にかけて今回の事件を含めおよそ10件、合わせて900万円以上の現金を火災現場から盗んだという趣旨の話をしているということです。 警視庁は「他の模範になるべき立場にある職員による言語道断の行為であり、都民・国民の皆様の信頼を裏切るもので、極めて遺憾です。被害に遭われた方と都民国民の皆様に深くお詫びを申し上げるとともに、今後の捜査で明らかになった事実に基づき、厳正に処分いたします」としています。