全国B型肝炎訴訟熊本弁護団の預金を着服したとして、業務上横領の罪に問われた元弁護団長の内川寛被告(63)=熊本市東区御領6丁目=の初公判が熊本地裁(中田幹人裁判長)であり、被告は起訴内容を認めた。 起訴状などによると、内川被告は国からの和解金が入金されていた弁護団の代表名義の銀行口座から、2018年以降、複数回にわたって約4360万円払い戻し、自らの市県民税などの支払いに充てていた。 検察側は冒頭陳述で、訴訟の和解件数や和解金の支払額を弁護団などに過少報告し、発覚を免れていたと指摘。内川被告は「事実です。間違いありません」と話した。 内川被告は、ほかに約5千万円の業務上横領の罪で起訴され、着服総額は約9千万円にのぼるとされる。次回以降の裁判であわせて審理される。 この事件では、弁護団が18年5月~23年6月に計1億1445万円を着服されたとして、昨年10月に熊本県警に告訴。県警が2月に逮捕していた。(座小田英史)