被害者の"隠し子”装い1200万円だまし取る 詐欺の元被害者か

全国的にも、まれなケースだということです。 「隠し子」になりすます手口のニセ電話詐欺事件で、16日、72歳の女が逮捕されました。 しかもこの女、元々はニセ電話詐欺の被害者だったとみられています。 発端は先月、福岡市に住む当時85歳の女性、Aさんの家にかかってきた一本の電話でした。 東京地検関係者を名乗る人物が「全財産を指定口座に入金しないと無実が証明できない」などと告げ、「コウチヤマクミ」名義の口座を指定します。 関係を聞かれたら、「娘に送金する」などと応えるよう指示したそうです。 このコウチヤマクミこそ、今回逮捕された住居不定・無職河内山久美容疑者(72)その人です。 河内山容疑者はAさんの「隠し子役」として2人で金融機関を訪れます。 不審に思った金融機関の通報を受けた警察官に対し、Aさんは「14歳の時に産んだ娘に苦労をかけた。送金したい」と涙ながらに訴えます。 一方の河内山容疑者も自身の本名が書かれたマイナンバーカードを見せ「Aさんは自分の親」と主張、警察は説得を断念せざるを得ませんでした。 結果、Aさんは1200万円を口座に振り込んでしまいました。 Aさんは「指示役が優しい言葉をかけてくれるので信用してしまった」と話しているといいます。 話はこれだけで終わりません。 河内山容疑者、前の月にニセ電話詐欺の被害に遭っていたとみられているのです。 被害後に犯行グループから勧誘を受け加担を開始。 「指示役からの優しい言葉に好意を寄せるようになった」と話しているということです。 河内山容疑者は「福岡県内外においても通帳、キャッシュカード、現金をだまし取った」と話していて、警察が余罪も調べています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加