電車や駅などでの「盗撮」逮捕 4年前から倍増、最多の8323件 都は痴漢対策強化

電車や駅構内、トイレなどでの盗撮行為の逮捕件数が令和6年は全国で8323件に上り、過去最多となったことが警察庁の調べで分かった。そのうちスマートフォンなど携帯電話の使用によるものが8割を超えた。一方、東京都は鉄道事業者や警察庁、周辺の各県警と連携して6月1日から、「痴漢撲滅キャンペーン」を展開。痴漢や盗撮行為の取り締まりを強化する。 警察庁が5月に公表した全国の昨年の痴漢・盗撮事犯の逮捕状況によると、盗撮に関する逮捕件数は8323件に上り、過去最多となった。5年7月に性的姿態撮影等処罰法が施行され、盗撮については、性的姿態等撮影罪と迷惑防止条例などの違反によって逮捕されるが、逮捕件数は2年4026件、3年5019件、4年5737件、5年6933件、6年8323件と年々増えている(5年以降は撮影罪と迷惑防止条例違反の合算)。 発生場所別で最も多いのが「商業施設など」で2934件。そのうち、トイレが474件、階段・エスカレーターが357件だった。次いで「駅構内」が多く1698件。電車・バスなどの「乗り物内」は381件だった。撮影に携帯電話を使ったケースが6813件で8割以上を占め、小型カメラを隠して撮影するケースが1272件だった。 また、各都道府県の迷惑防止条例などに違反する行為のうち、「身体に触れる」などの痴漢行為について、6年の逮捕件数は1811件だった。電車内での不同意わいせつの認知件数は6年が556件。2年143件、3年124件、4年161件、5年318件と推移してきた。 こうした状況下、東京都は6月1~15日の15日間、関東エリアの鉄道事業者、警察庁、警視庁、埼玉・千葉・神奈川の各県警と協力し、「痴漢撲滅キャンペーン」を実施。車内や駅構内での放送を強化するほか、ポスター掲出、公式SNSによる発信など、取り組みを強化する。

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