『恋は闇』志尊淳が真犯人でないことは “ほぼ確定”…焦点は、タイトルの “闇” が誰の “闇” なのか?

《愛した男は、連続殺人鬼なのか――?》というキャッチコピーだったが、ここにきて「愛した男=志尊淳」は、真犯人じゃないとほぼ確定したと考えていいだろう。 志尊淳×岸井ゆきののダブル主演で、5月21日(水)に第6話が放送された恋愛ミステリー『恋は闇』(日本テレビ系)。 志尊演じる男性主人公・浩暉は、週刊誌の名物フリーライター。岸井演じる女性主人公・万琴はテレビ局の情報番組ディレクター。この2人のジャーナリストが、20代~30代女性が次々と猟奇的に殺害されている「ホルスの目殺人事件」の取材現場で出会う。 出会った当初は、チャラくて適当な言動が多く、スクープのためなら手段を選ばない浩暉に、万琴は強い嫌悪感を抱いていた。けれど、浩暉の報道に対する信念や人の気持ちがわかるやさしい一面に触れ、万琴は彼を愛するように。 その一方、浩暉が連続殺人鬼なのではないかという疑惑が次々に浮上し、物語の中盤である第6話でも、万琴および視聴者は「浩暉が犯人なの? 違うの?」と振り回され続けている。 ■第7話予告映像で注目すべきセリフとは? だが、筆者は「浩暉は真犯人ではなく連続殺人鬼は別にいる」ということが、ほぼ確定したと考察している。ミステリー作品において、ここまで怪しい要素が揃っているメインキャラが、「やっぱり犯人でした」というオチは、さすがにないだろうと思うからだ。 とくに今夜放送される第7話の予告映像内で、確信に変わったシーンがあった。 万琴の親友・向葵(森田望智)が「万琴以外の人はみんな浩暉さんがヘンだって思ってる」と語り、万琴が「真実って多数決じゃないから!」と反論していたのだ。 視聴者に向けて浩暉の真犯人フラグを立てまくっているだけでなく、劇中の登場人物たちの多くが彼に疑いの目を向けているとなれば、いくらなんでもここから「やっぱり犯人でした」という結末にはしないだろう。 逆にもし、そのまま浩暉が連続殺人鬼だったというオチになるなら斬新は斬新だが、そのほかの要素でかなりの驚きがあるような綿密に練り込んだ脚本でないと、駄作まっしぐらな気がする。 ■タイトルの “闇” は浩暉のものではない? では、ここからは “真犯人は別にいる” と仮定して、考察していこう。 もっとも注目すべきは『恋は闇』というタイトルの意味。 これまでは当然、万琴と浩暉の恋に “闇” があると考えられていたわけだが、浩暉が善人だとすると、2人の恋に “闇” はないことになる。 となると、別の登場人物の恋に “闇” がある可能性が高くなる。 その視点で考えた場合、まず怪しいのが万琴の親友・向葵。 万琴と向葵、そして刑事の正聖(白洲迅)は高校時代の友達なのだが、正聖は万琴に片想いで、向葵は正聖に片想いしているという関係性なのだ。向葵は高3のときにストーカー男に刺され重傷を負ったというトラウマがあり、その過去も “闇” を生み出す原因になっているなんて可能性も……。 ■殺された被害者がみな善人とは限らない また、浩暉の母親(紺野まひる)は10年前、「ホルスの目殺人事件」と同じようにナイフめった刺しで惨殺されている。浩暉の父親(萩原聖人)が犯人として逮捕されており、母親は悲劇的な被害者といった描かれ方をされているが、実は母自身の恋愛観が闇深かったなんていうパターンもあるかもしれない。 浩暉の母親しかり、「ホルスの目殺人事件」で殺害された女性たちしかり、被害者がみな善人とは限らないということだ。 ほかにも、情報番組プロデューサー・沙樹(西田尚美)は、万琴たち部下を温かく見守る頼れる上司として描かれているが、怪しいところがないのが逆に怪しいというキャラクター。 浩暉の両親に近い年齢なので、彼女の恋心になんらかの “闇” があり、10年前の母殺害や現在の連続殺人に関与している可能性もゼロではない。 いずれにしても、ここからは『恋は闇』とは誰の “闇” を指しているのかが最大の謎になってくるのではないか。 ――今夜放送の第7話の予告映像では、《語られる壮絶な事実》というテロップとともに、浩暉が万琴に「ちゃんと本当のこと言いたい。聞きたいこと、全部話すよ」と話しかけるシーンがある。これで浩暉への疑惑が完全払拭されるかどうか、まずは注目だ。 ●堺屋大地 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『コクハク』(日刊現代)、『日刊SPA!』『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿

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