秋田県の道路維持管理業務をめぐる贈収賄事件の初公判 被告の県職員は起訴内容認める

秋田県の道路維持管理業務を巡る贈収賄事件の初公判が24日行われました。県職員と林業会社元社長がいずれも起訴内容を認めました。 起訴状などによりますと県職員の三浦学被告(49)は道路維持管理の業務委託で受注した共同企業体に対し男鹿市の林業会社を伐採作業の再委託先としてあっせんし、その見返りとして現金あわせて150万円を受け取ったとして収賄の罪に問われています。 また、男鹿市の林業会社「目黒林業」の元社長目黒幹雄被告(46)は三浦被告に現金を渡したとして贈賄の罪に問われています。 24日午後秋田地裁で行われた初公判で三浦被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。検察側は冒頭陳述で「三浦被告は目黒被告と飲食をともにする際その費用を目黒被告に負担してもらっていたことに恩を感じるなどして公共工事にかかわる仕事をあっせんしてやりたいとの思いを強くした」と主張しました。また、三浦被告は2021年ごろから目黒被告に賄賂を要求し継続的に金を受け取っていたと指摘しました。 24日午前には目黒被告の初公判も行われ目黒被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。検察側は「公務員と業者との長期間の癒着を背景とし公務員の信頼を失墜させる悪質な犯行」などと指摘し懲役1年6カ月を求刑しました。一方、弁護側は被告が反省していることや社会的制裁を受けていることなどから執行猶予の付いた判決を求めました。 次回の裁判はそれぞれ11月中旬に行われます。三浦被告は2023年7月に発生した大雨災害に伴う秋田中央道路のトンネル排水業務の契約を結んだ業者に対し横手市の会社を再委託先としてあっせんし、その見返りとして現金100万円を受け取った疑いで6日に再逮捕されています。三浦被告に現金を渡したとして横手市の会社「クラフト」の役員小松谷行義容疑者(51)が贈賄の疑いで逮捕・送検されています。2人の勾留の満期は28日です。 24日の裁判でこれまでに逮捕された3人の関係性が明らかになってきました。検察側が提出した目黒被告の供述調書によりますと8月に逮捕された三浦被告と目黒被告は、10月に贈賄の容疑で逮捕された横手市のクラフトの役員小松谷容疑者の紹介で2018年ごろまでに知り合い飲食をともにする仲になったということです。 また、目黒被告の裁判で出された三浦被告の供述調書によりますと、「目黒被告から10回ほど現金およそ500万円を受け取った」と述べていて目黒被告の家の前や銀行の駐車場で現金の受け渡しが行われていたことが分かりました。目黒被告は「仕事の割り振りができる感覚はあったが詳しくは分かっていなかった」などと話しました。三浦被告と目黒被告の次の裁判はいずれも11月中旬に行われます。

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