沖縄県内で性的暴行をしようとして女性の首を絞め、けがを負わせたとして、不同意性交致傷の罪に問われた在沖米海兵隊所属の上等兵ジャメル・クレイトン被告(22)の裁判員裁判が2日、那覇地裁で始まった。クレイトン被告は「疑われるような行為は一切していない」と無罪を主張した。 起訴状によると、クレイトン被告は昨年5月26日、沖縄本島中部の屋内で、面識のない女性に性的暴行をしようとして首などを絞め、目などに全治2週間のけがを負わせたとされる。 検察側は冒頭陳述で、被告が同日、沖縄本島中部の繁華街で女性に「家まで送る」などと声をかけたと説明。女性は拒否したが、タクシーに同乗するなどして女性の交際相手宅まで付きまとった上で、玄関で暴行したと主張した。 弁護側は、被告は家まで送り届けるつもりで、タクシー運転手にも承諾を得た上で同乗したと反論。「無理やり性交しようとしたこともなければ、暴力もふるっていない」と訴えた。 事件は、被告の逮捕や起訴を沖縄県警、那覇地検が公表せず、自治体にも伝えていなかった。昨年6月末に地元紙が報道し、県が抗議。政府は米兵の性暴力事件に関して、都道府県への連絡体制を見直した。(金子和史)