「中学時代から殺人願望」、死刑基準検索も 検察側が冒頭陳述で指摘、元自衛官初公判

京都市のマンションで令和5年12月、住人の高齢男性が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた元陸上自衛官の水島千翔(ゆきと)被告(22)=懲戒免職=の裁判員裁判の初公判が11日、京都地裁(大寄淳裁判長)であった。検察側は冒頭陳述で、被告が中学時代から「人を殺す気持ちを味わってみたい」との願望を抱いていたと明かし、「動機は極めて身勝手で再犯の恐れがある」などと指摘した。 検察側の冒頭陳述によると、被告はスマートフォンで「何人殺すと死刑」「殺人罪 死刑 基準」などと検索。事件では男性をアパートの踊り場で転倒させ、30秒間で40回踏みつけたり、8回程度刃物で刺したりしたという。また陸自では、相手の急所を狙った効果的な格闘訓練を受けていたとも明かした。 この日の初公判で被告は起訴内容を認めた。争点は量刑に絞られた。 起訴状によると、令和5年12月3日午後7時55ごろ、京都市東山区のマンションの階段踊り場付近で、住人の男性=当時(82)=の腕を引っ張るなどして転倒させて背中を複数回踏み付け、刃渡り約17センチの包丁で複数回突き刺し失血死させたなどとしている。 京都府警によると、防犯カメラなどから被告の関与が浮上。事件から1週間後、東京都内の宿泊施設から出てきた被告を捜査員が発見し、確保した。逮捕当時、被告は被害男性と面識はなく、「(相手は)誰でもよかった」と説明。「逮捕されていなければ、また人を殺すつもりだった」との趣旨の供述をしていた。 陸自中部方面総監部などによると、被告は令和3年4月に入隊、4年6月から祝園(ほうその)分屯地(京都府精華町)に勤務していた。 京都地検は昨年4月、約3カ月半の鑑定留置の結果を踏まえ、被告の刑事責任能力を問えると判断し、殺人と銃刀法違反の罪で起訴した。陸自は起訴後に被告を懲戒免職とした。

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