アメリカ・トランプ政権の移民政策に対する抗議デモが続くロサンゼルス。混乱が続く中、市の中心部に夜間外出禁止令が出されました。 「人々の結束は決して引き裂かれない!」 ロサンゼルスで続くトランプ政権の不法移民の取り締まりに対する抗議デモ。5日目を迎えた10日も、市の中心部では多くの人が声をあげ、治安当局と衝突しました。 これまで車が焼かれたり、略奪が行われたりするなど混乱が続いていて、防犯のため店頭を板で覆う飲食店も。 少なくともおよそ200人が逮捕される事態となる中、ロサンゼルス市は中心部の一部地域に午後8時から翌日の午前6時までの夜間外出禁止令を出しました。 記者 「午後8時を迎えましたが、いっこうに人が減る気配はありません」 外出禁止区域にとどまれば逮捕されるおそれもありますが、大勢の人が残り、抗議の声をあげていました。 「一体何の罪で逮捕されるんだ!言論の自由を行使した罪か?正しいことのために立ち上がった罪か?」 こうした中、トランプ大統領が派遣した海兵隊700人がロサンゼルス周辺に到着したと報じられました。 カリフォルニア州 ニューサム知事 「現職大統領による厚かましい権力の乱用は一触即発の事態を悪化させた」 カリフォルニア州のニューサム知事は、州兵と海兵隊の派遣差し止めを求め、緊急の申し立てを行いましたが、即時の差し止めは却下されました。12日に審理が行われる予定です。 アメリカ トランプ大統領 「我々はアメリカの都市が外国の敵に侵略され、征服されることを許さない」 一方、状況が安定するまで兵士をとどまらせる考えを示したトランプ大統領。さらなる強硬手段も示唆しました。 アメリカ トランプ大統領 「反乱があれば、間違いなく反乱法を発動する。様子を見よう」 「反乱法」は大統領が軍を使って暴動や反乱を鎮圧することを認めるもので、アメリカメディアによりますと「反乱法」が発動されない限り、海兵隊員は逮捕などを行うことはできないということです。 「反乱法」が発動されれば、1992年の「ロサンゼルス暴動」以来となります。 そして、この日はロサンゼルスでの抗議活動に連帯を示すため、ニューヨークでもデモが行われました。 記者 「集まった人からは『移民当局は出て行け』と抗議の声があがっています」 祖父母がグアテマラからの移民 「政権が暴力をエスカレートさせようとしているのではと恐怖を感じます。ネイティブアメリカンでない限り、誰もが移民やその子どもなのに」 デモはシカゴやアトランタなどでも行われ、ロサンゼルスで始まった抗議活動は全米各地に広がりをみせています。