警察庁長官銃撃を“自供”した男が語った動機“北朝鮮への反発”と地下鉄サリン事件受けた「警察の怠慢を糾明」#54

オウム真理教による地下鉄サリン事件から10日後の1995年3月30日、国松孝次警察庁長官が銃撃され瀕死の重傷を負った。 事件との関与が浮上した、オウム信者であり警視庁の現役警察官でもあるXは「警察庁長官を撃った」と証言したが、その供述はデタラメばかりで、結局不起訴となった。 一方、教団とは無関係で、2002年11月に拳銃で現金輸送車を襲撃して逮捕された男・中村泰(なかむら・ひろし)は「自分が長官を撃った」と供述。関係先からは拳銃や銃弾、偽造パスポートが発見された。警視庁捜査一課は供述の裏付けを進め、ついに中村は長官銃撃を全面自供した。 発生から30年を迎えた警察庁長官銃撃事件。 入手した数千ページにも及ぶ膨大な捜査資料と15年以上に及ぶ関係者への取材を通じ、当時の捜査員が何を考え、誰を追っていたのか、「長官銃撃事件とは何だったのか」を連載で描く。 中村は2008年4月14日、原の取り調べで自供に至った。その時、事件から既に13年が経過していた。当時中村は78歳である。 老いの中にあっても中村は10年以上前の出来事について非常に詳しく語っており、この時点の供述が最も信頼に足る供述であると言えるため、供述調書全文を以下に掲載する。

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